2015年のウエアラブル市場はどうなるのだろうか。既に公開されている重要なマイルストーンとして、2015年の早い時期にアップルが発売を予定するApple Watchがある。これによりiPhoneユーザーがスマートウォッチに目を向けることが考えられる。

 もちろんウエアラブルはスマートウォッチだけではない。スマートウエアやメガネ型デバイスなど、幅広いデバイスがスマート化していくことで、社会を変革する可能性を秘めている。その裏にはウエアラブルのリスクや、普及を阻害する要素も見え隠れする。

 本特集の最終回では、これまでの動向を踏まえ、2015年のウエアラブル市場を展望していく。

2015年前半、最大のマイルストーンはApple Watchの発売

 2015年の動向を占う上で重要なイベントとして、1月に米国ラスベガスで「2015 International CES」が開催される。すでにソニーがアイウエア装着型のディスプレイモジュールの展示を予告するなど、ウエアラブルについても多彩な新製品の登場が期待される。

 また、通信機能を備えたデバイスという点では、2015年は3月上旬にバルセロナで開催される「Mobile World Congress」も、例年通り注目度の高いイベントだ。

 そして2015年前半の最大の焦点は、早ければ2月ともいわれるApple Watchの発売だ。実際に購入するかどうかはさておき、世界中で膨大な数のiPhoneユーザーがApple Watchの登場を待ちわびている。スマートウォッチ市場でもAndroid Wearが先行しつつあるが、依然として「アップル待ち」の空気は根強い(写真1)。

写真1●2014年9月に発表されたApple Watch。発売は早ければ2015年2月との見方も
写真1●2014年9月に発表されたApple Watch。発売は早ければ2015年2月との見方も
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 一方でApple Watchは、発売から半年前の2014年9月に概要を発表したこともあり、登場時には新鮮味が薄れている可能性が高い。そのため、アップルが発売に向けて、これからどうやって話題を盛り上げていくかという点でも注目される。

 また、発表時点では概要にとどまっていたApple Watchの機能についても、12月上旬にアップルのWebサイトが更新され、カレンダーと連動して通知を送る「タイムキーピング」や、Apple Watchを使っている友人とのコミュニケーション機能、日常的な活動を記録、コーチングするフィットネス機能などの詳細が判明。徐々にその全貌が明らかになってきた(写真2)。

写真2●Apple Watchの全貌が徐々に明らかに(アップルの日本語Webサイト(http://www.apple.com/jp/watch/)より)
写真2●Apple Watchの全貌が徐々に明らかに(アップルの日本語Webサイト(http://www.apple.com/jp/watch/)より)
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 Apple Watchはどれくらい売れるのだろうか。アナリストの予測によれば、初年度の出荷台数は1000万〜3000万台になる見込みという。