「B2Bマーケティングは、あと2年で、これまでとは全く別なものになってしまう」。
これは米ITSMA(Information Technology Services Marketing Association=ITサービス・マーケティング協会)が2014年末に発表した調査結果で結論付けたものだ。少なくとも彼らが実施した調査では、今後2年間で米国のB2Bマーケッターに対して求められる役割が大きく変化するという。
B2Bマーケティング、つまり「法人に対して自社製品、またはサービスの認知を向上させ、見込み顧客を獲得する」という活動となるのだが、これに対して、これまでB2Bマーケッターが実施してきたアプローチを優先順位が高い順番に並べると、以下のようになる。
- ブランド・ポジショニング(顧客の認識に自社ブランドを正確に位置付づけ、他社ブランドとの違いを明らかにする活動)
- リード・ジェネレーション(見込み顧客の獲得活動)
- ブランド・コミュニケーション(顧客がブランドイメージを形成するための一連のコミュニケーション活動)
- ソートリーダーシップ(将来を見通したテーマを提示し、それに対するアプローチを示唆する活動)
- デマンド・ジェネレーション(見込み案件の発掘・創出活動)
この優先順位が、今後2年間で以下のようになるという。
- 顧客の理解
- マーケティング・テクノロジー・ツールに対する理解
- マーケットおよび競合の分析
- ソートリーダーシップ
- リード・ジェネレーション
これらを見て分かるように、上位三つの活動は、これまで求められていた活動とは明らかに異なる。何よりも大きいのは「自分たちで自分たちのあり方を定義し、それを顧客に刷り込んでいく」という活動が、その優先順位を大きく下げ、代わりに「顧客、競合、市場を理解する」という活動の優先順位が上がった点だろう。つまり、「これまでのマーケティング手法では、効果が出づらくなってきている」という状況に対し、「顧客、競合、市場を理解する」ことで対応しようという動きが見られている。