図●日配品需要予測ソリューションの概要(出典:NEC)
図●日配品需要予測ソリューションの概要(出典:NEC)
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 NECは2015年4月10日、コンビニや食品スーパーなどの小売業向けに、ビッグデータ分析によって弁当や惣菜などの日配品の販売数を高精度で予測するシステム「日配品需要予測ソリューション」()の販売を開始した。実証実験では、日配品の廃棄量を約40%削減したという。ソフトウエア/ハードウエア一式から成るパッケージシステムを、導入サービス込みで提供する。価格は、100店舗導入時に5000万円から。販売目標は、2018年度(2019年3月期)までに2万4000店舗。

 弁当や惣菜といった日配品は賞味期限が短いため、売れ残った商品は廃棄しなければならない。このため市場には、発注量を適切に算出することによって、在庫切れによる販売機会の損失や日配品の廃棄ロスを最小限に抑えたいという需要がある。一方で、日々の販売数には、気象状態、カレンダー、イベントなどの要因が影響する。従来、発注数の決定は、従業員の経験に依存する部分が多かった。

 今回用意したパッケージシステムでは、NECのビッグデータ分析技術「異種混合学習技術」を活用して、日配品の商品ごとの販売数を高精度に予測する。過去の販売実績や商品廃棄数、気象予報、カレンダー情報、イベント・キャンペーン情報などの多様なデータの相関関係を解析することによって算出する。

 異種混合学習技術は、データの中に規則性が複数存在するときに、自動で場合分けする。この技術がないときは、天候が雨の場合と晴れの場合で分けたり、曜日で分けたりなど、データ分析者が手動でデータを分類して対処していた。異種混合学習技術を使うと、データの規則性を分析して、どのように場合分けすればよいかを自動的に判断し、それぞれの状況に合わせて予測式を自動的に選択する。