3月28日都内で開かれた記者会見(出所:日経BP)
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神奈川県小田原の「ほうとくソーラー市民ファンド」に組み入れた太陽光発電システム(出所:小田原市)
神奈川県小田原の「ほうとくソーラー市民ファンド」に組み入れた太陽光発電システム(出所:小田原市)
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 地域の再生可能エネルギーを地域の資本で開発することを目指す会津電力(福島県喜多方市)は3月28日、都内で記者会見を開き、会津地域や喜多方市の21カ所で小規模な分散型太陽光発電所の事業化を計画しており、事業費の一部である9980万円を「会津ソーラー市民ファンド2014」として出資金を募集すると発表した。建設予定の発電所は出力50kWクラスを20カ所、出力300kWクラスを1カ所で、合計で1.45MWとなる計画だ。

 会津電力が出資して設立したSPC(特定目的会社)、アイパワーアセットが発電事業者となる。総事業費は約4億5000万円。アイパワーアセットの自己資本は2000万円で、ファンドで募る9980万円のほか、環境省系のグリーンファイナンス機構が5000万円を出資する。残りの約2億8000万円を会津信用金庫と会津商工信用組合が太陽光発電事業に関わる動産に担保を設定した上で融資する。

 「会津ソーラー市民ファンド2014」への出資は、一口20万円で、一人50口まで。分配期間は2014~24年の11年間で、目標利回りは2%という。募集業務は、自然エネルギー市民ファンド(東京都中野区)が担う。自然エネルギー市民ファドは、5地域(北海道、福島、神奈川、長野、山口)で5つのファンドの募集を計画しており、3月28日に「会津ソーラー市民ファンド」と、北海道の風車を対象にした「市民風車ファンド2014石狩厚田」の募集を開始したことで、5ファンドすべてが出揃った。このうち長野の「おひさまファンド7」(募集総額3億5000万円)は、すでに募集を完了した。

 「会津ソーラー市民ファンド2014」の出資対象となる出力1.45MWのメガソーラー事業に関しては、積雪の影響が課題だったが、「雪対策を講じることで設備利用率は全国平均並みの12%を確保できる見込み」(アイパワーアセットの山田純社長)。会津電力は、今回の1.45MWの太陽光発電を含め、総事業費約8億円の太陽光発電事業を計画している。また、将来的には、小水力発電と間伐材などを活用したバイオマス発電事業を進めていく方針だ。