2020年に訪日外国人客2000万人という国の目標を受けて、訪日観光(インバウンド)ビジネスは盛り上がりを見せています。これまでの訪日観光は、東京・大阪間の名所を数日で回るゴールデンルート・ツアーが主流。ところが、日本人が普段あまり訪れないのに外国人を惹きつけ、人気を集めている意外な場所が実はあちこちにあります。
このコラムでは、訪日客は今、どんな場所を訪れているのか。どうして彼らはそこに行くのか。何が彼らを惹きつけているのかなど、日本人が気づきにくい視点から見た日本の魅力、観光資源を「復古」と「革新」という2つの切り口で捉え、先進的な地域や企業のマーケティング戦略を紹介。新たな観光市場の可能性を探ります。
シリーズ
日本人が知らない新・ニッポンツーリズム
完結
全8回 完結
誰でも作家気分、ユニーク市営書店で町を活性化
書店が1店舗もない自治体が2割を超え、本離れが進む中で、青森県八戸市はあえて本にこだわった事業を進めている。市の直営の「書店」には、ハンモック席や個室席、市民作家が執筆に専念できるカンヅメブース、様々なこだわりでセレクトしたテーマ別の本棚などユニークなしかけを施している。その狙い…
衰退する「やきもの」 一子相伝の里に見た活路
昨年、筆者は瀬戸や常滑など日本六古窯と呼ばれる産地や有田、波佐見など日本を代表するやきものの産地を歩きましたが、賑わいが感じられるまちはごくわずかでした。
250kmを超える広域連携で観光ブランドを確立
互いに数十kmも離れ、何の関係もなかった十勝、富良野、旭川、大雪の8つの民間のガーデンが連携し「観光ルート」としてのブランド確立に成功。全長250kmの「北海道ガーデン街道」はいかに実現したのか。広域連携の課題と成功の要件を探る。
コンパクトシティ幻想から10年、大分市が大変身
地方都市の中心市街地の活性化を狙ってさまざまな施策が打たれてきたこの10年。当初は注目されてもその後、成果を上げているところは少ない。その中で、ここ数年で大きく生まれ変わったのが大分市。その転換点と大変身の理由を探った。
「日本三景」でも日本人が知らない?三ツ星絶景
名前を聞けば日本人なら誰でも知っている、世界遺産「安芸の宮島」。その最高峰の弥山はミシュランの三ツ星も獲得した「絶景」だが、行ってみれば外国人ばかりで日本人には知名度は低い。欧米豪の訪日客をひきつけてやまないその世界観とは。
「和のもてなし」満載、新しい料亭に行ってみた
バブル崩壊後、多くの高級料亭が時代の波に翻弄され消えていった。一方で、訪日観光客の増加による日本文化の見直しを追い風に、新たな経営スタイルで市場開拓に力を入れる料亭もある。新しい料亭の魅力と可能性を探る。
北海道の魅力をオーダーメードで体験
観光による地方創生施策の1つとして、国は日本版DMOへの支援に力を入れているが、成果に結びつかない例も多い。富裕層の訪日個人客を対象に北海道での特別な体験ツアーを提供する北海道宝島旅行社の軌跡に、日本版DMO成功の条件を探る。
地元の農業を結実させたテーマパークで人を呼ぶ
2015年10月、茨城県行方市にさつまいものテーマパーク「なめがたファーマーズ・ヴィレッジ」がオープン。「農業のディズニーランド」を目指して食品メーカーと農協、自治体のタッグで実現したプロジェクトの成功要因を探る。