2011年ころからネットワーク業界のホットトピックスとなっているSDN(Software Defined Networking)。現在では、ネットワークをプログラマブルにコントロールするための実現手法の総称といった位置づけになりつつある。大規模データセンターへの導入で先行したSDNだが、データセンター向け、企業ユーザー向けなど対象分野ごとに細分化したソリューションが体系化され始めている。
SDNは2011年ころからネットワーク業界のホットトピックスとなっている。
当初はOpenFlowのような特定のプロトコルと同一視されていたが、ベンダー固有の機能も含めてSDNが意味する対象は拡大した。現在では、ネットワークをプログラマブルにコントロールするための実現手法の総称といった位置づけになりつつある。
市場拡大のポイントは企業ユーザーへの浸透
そんなSDNの導入が実際の現場で進んでいるのは、これまでのところ大規模データセンターが中心。VLAN ID数の限界やプロビジョニングの課題に真っ先に直面しており、SDNによる課題解決のメリットが明確だからだ。
様々な調査においてもその傾向は現れている。米SDN CentralなどがまとめたSDNの市場規模予測では2013年時点の市場規模は約1540億円。その大部分が、大規模データセンターを保有するクラウド事業者だ(図1)。
NECも独自にSDNの市場規模を推計している。同社の調べでは2013年度のSDNの世界市場規模は約1300億円。NECはそのうち、200億円を売り上げているという。
これらを見る限り、SDN市場はネットワーク市場全体と比べるとまだまだ小さく、立ち上げ期を脱していないことが分かる。