自由民主党の政策部会である政務調査会は2015年2月12日、個人情報保護法改正に向けた内閣府IT担当大臣への提言を公開した(個人情報保護法改正に関する提言)。

 法改正の骨子案で規制緩和の目玉の一つだった「個人情報の取得後のオプトアウトによる利用目的の変更」について、個人情報保護の観点から認めないよう求めた。この規制緩和については、経済協力開発機構(OECD)が定めたプライバシーガイドラインの「目的明確化の原則」や「利用制限の原則」に適合しないとして、専門家や消費者団体から見直しを求める声が挙がっていた(ITpro関連記事:そんな個人情報保護法改正で大丈夫か? パーソナルデータ検討会)。

 一方で、匿名加工情報の利用については、パーソナルデータの利活用を促進する観点から、骨子案が求める「委員会への届け出」でなく「必要事項を公表すれば足りる」よう、さらなる緩和を求めた。

 この提言は、政務調査会 内閣部会長の秋元司氏、消費者問題調査会長の船田元氏、IT戦略特命委員長の平井たくや氏の連名で、内閣府IT担当大臣に申し入れたもの。消費者団体や経済団体などからの計3回のヒアリングに基づき、とりまとめた。消費者団体と経済団体、双方の主張に配慮した内容になっている。

 提言の主な項目(要約)は以下の通り。

1.個人情報の取得後のオプトアウトによる利用目的の変更は認めない
2.個人情報保護委員会の名称を個人情報委員会とする
3.第三者委員会の任務規定に、個人情報の利活用の推進に配慮する旨を明記
4.個人情報の定義(範囲)の拡大は行わない。メールアドレスや携帯電話番号などの第三者提供は、取扱事業者が自主ルールを定めるなどの対応とする
5.匿名加工して利用する場合には、委員会への届け出によらず、取扱業者が必要事項を公表すれば足りる旨の規定とする