本セミナーは、ビデオ会議ツール「Zoom」を使って、当日ライブ配信します。

5月25日(火)9時に締め切らせて頂きます。

セミナー紹介

 本講座では、15年に渡って欧米の生分解性プラスチックに関する実務的な調査・研究を行ってきた講師が、欧米の最新事例を分かりやすく解説し、次世代のバイオプラスチックや生分解性プラスチック製品の開発の視点を提供します。特に射出成形と金型技術について深みを持った解説を行います。2019年10月にドイツ・デュッセルドルフで開催された世界最大規模のプラスチック・ゴム専門見本市「K2019」で開示された最新技術についても高精細動画、写真を用いてふんだんに紹介します。また、世界の生分解性プラスチックやバイオプラスチックの規制についても実務的な側面から切り込んだ解説を試みます。

 気候変動は、人類が乗り越えなければならない世界的な課題であり、国連パリ協定を基軸に欧州が積極的な取り組みを主張していましたが、アメリカのバイデン大統領は就任当日にパリ協定の復帰を明言、今後4年間で環境政策への財政出動を200兆円規模で検討すると表明しています。また、菅総理は、2020年10月臨時国会の所信表明演説で、日本の温暖化ガス排出量を2050年までに実質ゼロ目標を宣言し、11月に開催されたG20首脳会議でも説明し、国際公約としました。日米欧に加え中国もこの歩調に同調し、世界は脱炭素社会の実現へ向けて大きな方向転換がなされようとしています。

 プラスチックは、自動車部品や家電製品、電子部品、食品容器、医療用具、建設資材、スポーツ用品などに、軽量化や高強度、柔軟性、透明性、電気絶縁性などの特性を生かした素材として今日の社会では不可欠な存在です。世界では年間約2億8000万tが生産されており、今後も需要は増加基調にあります。

 しかし、プラスチックは、その焼却処理による地球温暖化ガスの排出問題と海洋プラスチックごみによるマイクロプラスチック汚染が世界の喫緊の課題として急浮上し、これまで70年間行われてきた大量生産-大量廃棄の経済構造は根本から大きな見直しを迫られています。コロナ禍の対応では、使い捨てマスクや医療用具等で使い捨てプラスチック製品を使わざるを得ない状況に陥りましたが、コロナ後は、それらの改良も検討が求められるでしょう。

 持続可能な循環型経済(サーキュラーエコノミー)を実現するためには生分解性プラスチックの活用が必須であり、その活用方法や製品への応用についてイノベーションが求められます。そのためには素材特性や材料ブレンド技術、成形加工プロセス、金型技術、品質トレーサビリティー、リサイクル技術などを総合した生産システムの視座が必要です。これらの知見は、視点の多様性や地球規模の市場戦略、法規制などを視野に入れた研究開発を進めている欧米企業がユニークなアイデアを既に多数実用化しています。

受講効果

チェック次世代の生分解性プラスチック製品の開発や射出成形システム、金型の企画・設計を行う上での重要な着眼点を獲得できます。

チェック欧米先進国の多様な製品事例や射出成形加工、金型技術を画像で学びます。これにより、ビジュアルによって鮮明な記憶が形成されます。

チェック豊富な欧米実務経験を持つ講師が、技術に加えて社会情勢や法規制、マクロ経済などの視点を加えて解説。実務に役立つヒントが得られます。


■視聴にあたって
  1. 視聴に必要なURLは、5/26(水)までにご登録のアドレス宛にメールでお知らせします。
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  6. Zoomの接続環境は【パソコン、有線またはWi-Fiのインターネット環境】推奨です。

なお、「Zoom」上では、個人情報は一切取得いたしません。開催時間中にURLにアクセスいただくと受講可能です。

開催概要

セミナー名 Zoomを使ったWeb配信セミナー
バイオプラスチックによるものづくり革命
日時 2021年05月27日(木) 10:00~17:00
会場 オンライン開催
Zoomを使ったWeb配信セミナーです
受講料

49,800円(税込み)

※上記は1名様の料金です。複数名での共有は禁止させていただきます。

定員 60名
※最少開催人数(15名)に満たない場合は、開催を中止させていただくことがあります。
主催 日経クロステック、日経ものづくり

講師紹介

小松 道男(こまつ みちお)氏
小松技術士事務所 所長、ものづくり名人

小松 道男<span class="fontSizeS">(こまつ みちお)氏</span>

アルプス電気を経て、1993年に小松技術士事務所を設立。技術士(機械部門)。プラスチック射出成形金型の開発、射出成形システムの研究、ポリ乳酸(PLA)射出成形ビジネスの事業化、超臨界微細発泡射出成形技術(MuCell)の研究、バイオプラスチック応用技術開発等を展開中。欧米のプラスチック技術、金型技術に精通している。日本、米国、ドイツ、フランス、英国、オランダ、スイス、カナダ、中華人民共和国、韓国、ブラジルで特許権(特許発明総数293個)、意匠権3件、商標権1件を保有。
著書に『バイオプラの教科書』(日経BP)、『事例でわかるプラスチック金型設計の進め方』(日刊工業新聞社)、『プラスチック射出成形金型設計マニュアル』(日刊工業新聞社)、『はじめての金型技術』(共著、工業調査会)、『プラスチック射出成形金型』(共著、日経BP社)、『金型が一番わかる』(共著、型技術協会編)、『インジェクション金型の設計2』(CD-R、NTTデータエンジニアリングシステムズ)など多数。
平成3年技術士第二次試験史上最年少合格(当時27歳)。主な受賞は、社団法人日本機械学会畠山賞、公益財団法人中部科学技術センター振興賞、一般社団法人日本合成樹脂技術協会特別会員、LAUNCH:BEYOND WASTE Forum,Innovator of Innovators(NASAジェット推進研究所にて、米国ベンチャー企業Co-Founderとして)、公益社団法人日本技術士会フェロー、平成29年度文部科学大臣表彰科学技術賞(技術部門)受賞、第7回ものづくり日本大賞内閣総理大臣賞受賞・ものづくり名人の称号を安倍首相より授与される。一般社団法人型技術協会第30回(令和2年度)技術賞受賞。第1回(令和2年度)気候変動アクション大賞受賞(環境大臣)。第10回世界水族館会議「Pollution of the Water Planet」基調講演。平成31年政府広報誌We Are Tomodachi、令和2年政府広報誌Highlighting JAPANインタビュー記事掲載(内閣府大臣官房政府広報室)。令和2年首相官邸公式Youtube 日本の海洋プラスチックごみ削減取組み事例に出演(再生回数106万回)、欧米でTVCM放送。一般社団法人型技術協会会員、一般社団法人プラスチック成形加工学会会員、SPE(Society of Plastics Engineers、USA)会員。福島高専非常勤講師、元仏Rhône-Alpes州クラスター親善大使。K2013国際ゴム・プラスチック専門見本市 Japan Technology Forum(ドイツ)にて基調講演、PLASTIPOLIS FORUM 2014(フランス)ではInternational sectionにて講演。

プログラム (10:00~17:00)

1.プラスチック産業が直面する課題

 化石資源やプラスチック廃棄物を燃焼させることにより大気中には温暖化ガス(CO2等)が大量に放出され、地球の気温は一般市民にも感じられるように徐々に上昇を続けています。気候変動による集中豪雨や台風の巨大化は今後も継続すると予想されます。国連COP25パリ協定が発効し、温暖化ガスの排出抑制の議論が始まりましたがなかなかその実行が進んでいない現状がありました。
 一方、世界のプラスチック生産量は、2億8000万t/年であり、その7.1%(約2000万トン)が海洋に流入していると考えられています。これらの廃棄樹脂は、劣化や波浪による粉砕でマイクロプラスチックとなり、鳥類や魚貝類の体内に蓄積されることが分かってきました。
 また、化石資源由来樹脂の製造過程で除去しきれなかった重金属や海水中のPCBを吸着して有害物質として濃縮される事象については、日本でも注目が集まり始めています。2019年のG20大阪サミットでは海洋ゴミ(Marine Litter)問題が取り上げられ、2050年までに新たなプラスチック廃棄物をゼロにする大阪ブルー・オーシャン・ビジョンが世界の首脳により署名されました。フランスではこの1月から使い捨て食器は全て50%以上の生分解性素材の使用義務化法律が施行されました。このようなグローバルな社会の動きについて世界主要国の重要なポイントを分かりやすく解説します。

2.生分解性プラスチックの種類

 プラスチックは、化石資源を原材料として化学合成され、使用後は生分解しない素材という特徴が世界的に認識されています。しかし、現在の科学では植物や動物の廃棄物(バイオマス)を原材料としたプラスチック(バイオプラスチック)を化学合成できるようになりました。
 また、化石資源を原材料とするにもかかわらず生分解するプラスチックも商業化されています。化石資源由来プラスチックとバイオプラスチックの関係について正しい知識を解説します。

3.各国のプラスチックに関する規制の動向

EU、フランス、ドイツ、英国、米国、中国、インドのプラスチックに関する規制の動向について解説します。

4.日本のプラスチックに関する規制の動向

 日本国内における環境省、経済産業省、厚生労働省等の法規制の動向やプラスチック素材関連団体の自主規制の動向について解説します。

5.主要な生分解性プラスチックの特性

 現在商業化されている生分解性プラスチックの特性と応用製品について解説をします。
  • ポリ乳酸(PLA)
  • ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)
  • ポリブチレンサクシネート(PBS)
  • スターチブレンド
  • ポリ・ブチレン・アジペート・コ・テレフタレート(PBAT)
  • 3-ヒドロキシブチレート-co-3-ヒドロキシヘキサノエート重合体(PHBH)
  • ポリグリコール酸(PGA)
  • ヘミセルロース
  • カゼインプラスチック
  • 木粉コンポジット(WPC)
  • 紙粉コンポジット(PPC)

6.加工技術の事例紹介(射出成形技術と金型技術を中心に)

 繊維、シート成形、真空成形、ブロー成形、射出成形、バルブゲート、N2超臨界微細発泡射出成形、CO2超臨界射出成形(薄肉成形)について事例紹介します。

7.世界最新のプラスチック加工技術の情報

 一昨年10月にドイツ・デュッセルドルフで開催された「K2019(国際プラスチック・ゴム産業展)」に出展された化石資源由来プラスチックを含む最新のバイオプラスチック素材や加工技術の事例を講師が実際に現地で取材、撮影した高精細動画、写真を用いて紹介します。メカニカルリサイクル、サーマルリサイクル、ケミカルリサイクルによるサーキュラーエコノミー実現を目指す発想を知ることにより生分解性プラスチックの活用すべき分野考察する発想の刺激を試みます。

8.質疑応答


【お申し込み注意事項】

  • このセミナーは、ZoomによるリアルタイムWeb配信にてご提供します。
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