KDDIはプロバイダー大手のビッグローブを買収する方向で交渉を進めていると日本経済新聞が2016年12月6日付で報じた。報道によると同業大手のニフティの買収に向けても協議しているもようだ。

 各社はいずれもITproの取材に対し「当社が発表したものではなく、現時点で決定した事実はない」(KDDI)、「お話しできることはない」(ビッグローブの実質的な親会社である日本産業パートナーズ)、「ニフティの個人向け事業について外部パートナーとのアライアンスを含め事業構造の変革を検討していることは発表済みだが、そのプロセスについてはこれまで何もコメントしていないし、決まるまでは何も言わない」(ニフティの親会社である富士通)と語り、詳細なコメントを避けている。

 プロバイダー2社は、光回線とMVNO(仮想移動体通信事業者)の双方で多数の会員を抱える。KDDIにとっては、2社の買収という勝負手が仮に実現すれば、各社が拮抗しつつある市場環境のなかでも業界のガリバーであるNTTグループに対抗し勢力図を一挙に広げられる可能性がある。コンテンツや決済といったKDDIのサービスを2社の会員に提供できれば、ここ数年の至上命題となっている「au経済圏」の拡大にも追い風となりそうだ。