お正月限定企画として、日経ビジネスの人気連載陣に、専門分野について2017年の吉凶を占ってもらいました。
今年はどんな年になるでしょう。
(お正月企画の記事一覧はこちらから)
あけましておめでとうございます。
吉例となっている手前もありますので、昨年の世相を振り返った「いろは歌留多」を考案いたしました。
お屠蘇気分でゆるゆるとご笑覧ください。
あ、それから、新年の占いですが、私の直感では「大吉」と出ましたよ。
こういう占いは非科学ではありますが、信じておいた方がお得です。盲信は愚だが役に立つ、と、昔の人はさすがにものを知っています。
それでは、2017年がNBO読者のみなさまにとって素晴らしい一年になりますことを祈念しております。
本年もよろしくお願い申し上げます。
【い】石破氏を叩いて渡る
安倍1強の状況は党内も同様で、石破さんあたりももはや木っ端微塵だからなあ
【ろ】ロンより焼香
麻雀なんかで人脈作ったつもりになってないで、上司の身内の葬式に駆けつけて受付をやるのが出世の王道だぞ
【は】発砲美人
イスラエルの女性兵士の写真とか見てると、時々はっとするような美人がいて、いたたまれない気持ちになりますね
【に】二回目からクスリ
初回は無料というのが売人の心得なのだそうですよ
【ほ】惚れて通えば千里もニュータウン
万博以前はとんでもない田舎だったのだそうですね
【へ】下手の残業休むに似たり
何もできないくせに義理でオフィスに居残ってる社員は、ズル休みしてるヤツよりさらに始末に負えない
【と】トランプぬきの皮算用
官邸まわりがトランプ当選を読めてなかったのは仕方ないとして、安倍さんがクリントンとだけ会ってたことの埋め合わせに、急遽就任前にトランプとの会談をセッティングしたのはバカ丸出しでした
【ち】沈黙はキム
余計なことを言わない隣のキムさんが、なんだか利口に見えて来る今日このごろです
【り】両手に鼻薬
多方面から贈賄を持ちかけられているのは、あんたの仕事が高く評価されてるからじゃなくて、人格が低く見積もられてるからだぞ
【ぬ】盗人をとらえてみれば知事閣下
まあ、よくある話です。
【る】瑠麗もハリーも照らせば光る
スタジオでスポットライト浴びてれば、どんな素材であれ、それなりには光って見えてくるわけでね(※編注:経済学者の三浦瑠麗さんと、野球解説者の張本勲さんのこと…と思われますが定かではありません)
【お】女三人寄れば鹿島ギャル
鹿島アントラーズに女子サポーターが少なかったのは昔の話です。柴崎きゅんとかがいるからなあ
【わ】若い時の苦労は勝手にしろ
私見ですが、苦労自慢の人は性格が曲がっていると思います
【か】帰る子は買える
サービス残業なんかせずにすっぱりと定時退社する若手社員の、少なくともその根性は買えると思います
【よ】弱き者よ汝の名は……すんませんこわくて言えません
名指しにしたら袋叩きですよ
【た】棚からボッタクリ
キープした覚えのないボトルが棚から出てくるようだともうボッタクリは確定ですね
【れ】例外の無い規則は、内々には無い
でも本当はある。ってことは、例外の無い規則は無いという規則にも例外はあるんだろうか
【そ】その手はクアッドコアのプロセッサ
そのテのマジックワードにはもうひっかからなくなりました
【つ】つい言ったその一言が身の破滅
ツイッター上の暴言で社会的生命を失う人が跡を絶ちませんね
【ね】寝耳にミスリード
朝一番に開いた朝刊にウソが書いてあったりするんだから世も末ですよ
【な】無い袖の乾く間も無し
払うカネが無いからこそ、涙を拭う袖が必要なのですよ
【ら】ラクアあれば空あり
たまにはサウナでアタマを空っぽにしたいものですね(※編注:東京にある温浴施設ですね。著者、お疲れのようです)
【む】無理が通ればドゥテルテも通る
フィリピンの新大統領はどてらいヤツですね
【う】ウェブの耳に念仏
ネットで喚いたって誰も聴いてないよ
【い】一寸先は闇金
ほんと、借り始めると底なしなんでぜひ気をつけてください
【の】紀香買った船
水素で動くんだそうですよ
【お】鬼にカナ入力
達人級になるとローマ字入力よりカナ入力の方が速かったりします
【く】君子淡雪に近寄らず
君子は雪とか大嫌いだからね。ほんのちょっと積もっただけでも外には出ません
【や】焼け石にミミズ
どうして地面に出てきちゃうんでしょうね
【ま】負けるがカッティングエッジ
真に革新的なイノベーションは敗北から生まれる、とか言うと意識高い感じしますか?
【け】原因馬謖
原因究明を棚上げにしつつ「泣いて馬謖を斬る」のパフォーマンスで逃げ切るメソッドってわりと一般的ですよね
【ふ】武士は食えぬでバカ幼児
武士は経済的には幼児と一緒です
【こ】行員矢の如し
銀行の人は抵当の話する時になると顔つきが変わります
【え】AVで大役を釣る
アダルトでデビューして大作の主役におさまるのもひとつの道ですよ
【て】天は鈍いヤツに与えず
天はお気に入りの人間には二物も三物も与えるけど、嫌いなヤツには何も与えない。第一、神様が気に入ってる人間を鈍いヤツにしとくはずないだろ?
【あ】あの頃の未来に君らは立ってないよ
SMAPはついに消滅したのですね。残念です
【さ】去る者は日々に鬱陶しい
ツイッターでリムられたりするとその人を嫌いになっちゃうのはそうですオレの心が狭いからです
【き】聞くは恥だが役に立つ
こういう言い方をすれば耳を傾けてくれるわけだろ?
【ゆ】ユダ大敵
2000年以上前の裏切りをいまだに許してないのだね
【め】目の上のオフクロ
なんか邪魔くさいよね(私見)
【み】身から出た賛美歌
賛美歌を歌わなければならないのは不幸なことなのかもしれない
【し】四十にしてマッドマックス 私の周辺を行き来しているアラフォーのデスロードは本年も続行中です
【え】AU色を好む
いや、ドコモの人もソフトバンクの人もそれはそれで好むとは思うのですが
【ひ】人の噂も七十五分
ネット上のゴシップは二時間まではもちません
【も】もんじゅも知恵のみだれ
っていうか、徹頭徹尾知恵とは無縁なプロジェクトでしたね
【せ】世界にひとつだけの花道
要するに花より花屋の方が偉かったわけです
【す】末は博士か愛人か
ポスドクの暮らしはなかなかきびしいもののようです
【ん】んんー、来年は無理かな
歌留多も5回目なので、さすがにネタ切れです。助けてください
お目に掛けたいです。本年もご支援ご鞭撻を(担当編集)
全国のオダジマファンの皆様、お待たせいたしました。『超・反知性主義入門』以来約1年ぶりに、小田嶋さんの新刊『ザ、コラム』が晶文社より発売になりました。以下、晶文社の担当編集の方からのご説明です。(Y)
安倍政権の暴走ぶりについて大新聞の論壇面で取材を受けたりと、まっとうでリベラルな識者として引っ張り出されることが目立つ近年の小田嶋さんですが、良識派の人々が眉をひそめる不埒で危ないコラムにこそ小田嶋さん本来の持ち味がある、ということは長年のオダジマファンのみなさんならご存知のはず。
そんなヤバいコラムをもっと読みたい!という声にお応えして、小田嶋さんがこの約十年で書かれたコラムの中から「これは!」と思うものを発掘してもらい、1冊にまとめたのが本書です。リミッターをはずした小田嶋さんのダークサイドの魅力がたっぷり詰まったコラムの金字塔。なんの役にも立ちませんが、おもしろいことだけは請け合い。よろしくお願いいたします。(晶文社編集部 A藤)
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この記事はシリーズ「小田嶋隆の「ア・ピース・オブ・警句」 ~世間に転がる意味不明」に収容されています。フォローすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。