熊谷市の管理する調整池内に建設した
熊谷市の管理する調整池内に建設した
(出所:日経BP)
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EPCは東京エネシス、パネルは京セラ製を採用
EPCは東京エネシス、パネルは京セラ製を採用
(出所:日経BP)
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イタリアと熊谷市との交流機会を提供
イタリアと熊谷市との交流機会を提供
(出所:日経BP)
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 イタリア系の再生可能エネルギー開発会社であるエルゴ サン ジャパン(東京都港区)は4月10日、埼玉県熊谷市に2サイトでメガソーラー(大規模太陽光発電所)を完工し、竣工式を開催した。

 出力1.5MWの「熊谷1500第一太陽光発電所」と、1.995MWの「熊谷1995第二太陽光発電所」で、いずれも熊谷市の所有する準用河川新奈良川第3調整池(6万5800m2)内に建設した。エルゴ サン ジャパンが熊谷市から土地を賃借し、発電事業を行う。年間の貸付料は1118万6000円となる。

 両サイトとも、EPC(設計・調達・施工)サービスは東京エネシスが担当し、太陽光パネルは京セラ製の多結晶シリコン型(265W/枚)、パワーコンディショナー(PCS)はドイツSMAソーラーテクノロジー製(25kW機)を採用した。稼働後のO&M(運営・保守)サービスは、オリックス・ファシリティーズが担当する。

 事業用地となった調整池は、台風など大雨の際、新奈良川の水を一時的に貯めておき、下流での洪水リスクを軽減する機能を持っている。そのため、太陽光パネルを取り付ける架台は、地面から最も近い設置高で約3m、アレイ(パネルの設置単位)最高部では4mを超えるエリアもある。

 今回のメガソーラー事業は、熊谷市が公募したもので、エルゴ サン ジャパンの提案が採用された。提案内容には、発電事業のほか、「在日イタリア大使館の支援を受け、熊谷市とイタリアとの交流機会を提供する」などが明記された。竣工に際しても、同社は、イタリア文化に関する図鑑を熊谷市に寄付した。

 エルゴ サン ジャパンの親会社は、イタリア・ミラノに本社のあるインフラストルットーレ社で、太陽光や風力、バイオマスなどの再エネ事業を中心に展開している。グループ全体で、1.5GWを超える再エネの開発事業に関与しているという。

 エルゴ サン ジャパンは、熊谷市のほか、埼玉県秩父市や千葉県八街市などで、太陽光発電を開発している(関連記事)。