米Facebookが独自スマートフォン開発のプロジェクトを進めていると、複数の米メディア(New York TimesForbesなど)が現地時間2012年5月27日に報じた。Facebookは2013年に独自スマートフォンのリリースを目指しているという。

 New York Timesは、Facebookの従業員や、Facebook求人担当者が接触したエンジニア、Facebookの計画について説明を受けた人々からの情報として、同社がすでに元Appleのソフトウエアおよびハードウエアエンジニアで「iPhone」に関わった6人以上と「iPad」に関わった1人を採用済みだと伝えている。

 同メディアによると、2010年に技術系ブログネットワーク「TechCrunch」がFacebookのスマートフォン開発への取り組みを報じたことがあるが、このプロジェクトは消滅。2011年に技術系情報サイト「AllThingsD」がスマートフォン「Buffy」(開発コード名)の開発に向けたFacebookと台湾HTCとの提携を報じており、これは存続している。今回FacebookはBuffyプロジェクトのメンバーを増強しつつ、他のプロジェクトも検討しながらスマートフォン開発を進行していると、同メディアはみている。

 New York Timesが5月25日に問い合わせたところ、Facebookはスマートフォン開発計画の存在を肯定も否定もしなかった。

 Facebookが独自スマートフォン開発に乗り出す理由は明らかで、新規株式公開(IPO)を果たした同社は増大するモバイルユーザーを収益獲得につなげる戦略をいっそう必要としているためだ。他社の干渉を受けずにソーシャルな広告配信を展開するには独自デバイスを用意するしかないが、「Facebookから配信される広告を受け取りたくてスマートフォンを選ぶユーザーはいない」とForbesは指摘している。

 Forbesの報道によると、独自スマートフォン開発プロジェクトはFacebook最高技術責任者(CTO)のBret Taylor氏が指揮を執る。