タブレット端末をパソコンのカテゴリーに含めると、2012年第4四半期(10~12月)における出荷台数は1億3400万台となり、前年同期から12%増加した。このうち、タブレットが3分の1以上を占めている。こうした調査結果を現地時間2013年2月6日に、英国の市場調査会社Canalysが公表した。

 それによると、最も出荷台数が多かったのは米Apple。同社は四半期中に2700万台を出荷し、市場全体に占めるシェアは初めて20%を超えた。同社の出荷台数を押し上げたのが、11月に発売した「iPad mini」。Canalysの推計によると、四半期中にAppleが出荷したタブレットの半数以上がiPad miniという。手頃な価格と小型デザインがタブレット全体の需要を喚起した、とCanalysは分析している。

 米Appleを追う形で、米Hewlett-Packard(HP)と中国Lenovo Group(聯想集団)が続いた。HPの出荷台数は1500万台で、同年第3四半期にLenovoに抜かれて3位に後退していたが、第4四半期は20万台の差で2位に再浮上した。なおHP、Lenovoのシェアは共に11%でほぼ同率。

 この後、韓国Samsung Electronicsが1170万台(シェア9%)、米Dellが970万台(同7%)で続いた。Samsungはタブレット端末の出荷台数が伸びたことで、初めて出荷台数ランキング上位5社に入った。一方、Dellは前年同期から19%減。業界全体でノートパソコンが低迷しており、Dellもその影響を受けたとCanalysは見ている。

 注目企業では、米Amazon.comの出荷台数は460万台。同社は「Kindle Fire」の販路を米国外にも広げたことが出荷増につながった。また米Googleの「Nexus 7」と「Nexus 10」を合わせた出荷台数は260万台で、比較的好調だったという。

 Canalysは、従来型パソコンとタブレット端末を一つの市場ととらえている。同社によると、第4四半期は、Windows 8の発売や西欧や米国でホリデーシーズンの繁忙期があったが、ノートパソコンにはほとんど影響を及ぼさなかった。これに対しタブレットは、前年同期から75%増と好調に推移した。

[発表資料へ]