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病名に「痛」が付いた疾患で、受診者が最も多いのは?

2011/12/22

 最近、首と肩の凝りがひどくなり、頭痛に悩まされる経験をしました。少し気になって、インターネットで「頭痛」をキーワードに検索してみたところ、3490万件がヒットしました。そういえば頭痛以外にも、「痛」という文字を含む病名や症状があるなと、さらに思いつくままに検索した結果、腰痛4200万件、腹痛3060万件、筋肉痛1540万件、月経痛1090万件、肩痛708万件、神経痛548万件、膝痛495万件、関節痛378万件…となりました。結構、出てくるものです。

 病名に「痛」が付いているくらいだから、それだけ多くの人が経験している疾患といえるのでしょう。では実際にレセプトでの出現頻度も高いのでしょうか? そんな素朴な疑問から、「痛」を含む標準病名がどれくらいあるのかを調べたところ、341あることが分かりました。今回は、これらの病名の記載のあった患者の実数を集計して受診率を算出し、年代別や性別で比較してみることにしました。

 痛みを伴う病気(病態)の種類はかなり多いですが、あえて腰痛症、急性疼痛、足関節痛など、「痛」の付いている標準病名に絞りましたので、あらかじめご了承ください。また、病名や症状に「痛」が付いていても、痛風と陣痛は対象外にしました。痛風は圧倒的に男性に多く、陣痛は女性に特有のもので、男女間での比較にあまり意味がないからです。

 調査対象は、2010年の1年間に受診した健康保険組合加入者の113万人。年代別の内訳は、0~9歳(16万人)、10~19歳(15万人)、20~49歳(66万人)、50~65歳(16万人)で、男女比は各年代ともにおおむね半々です。これらの年代別の母集団を基に、341疾患の受診率を計算しました。

腰痛症と頭痛は各年代で群を抜く多さ
 図1~4は、0~9歳、10~19歳、20~49歳、50~65歳の年代別に受診率が高かった標準病名を20位まで表示したものです。男女合わせた平均値の順に上から並べ、さらに男女それぞれの値も示しました。

著者プロフィール

木村真也(株式会社日本医療データセンター社長)●きむらしんや氏。1981年京都産業大学卒。大手外資系製薬会社マーケティング部長、CROバイスプレジデントなどを経て、2002年に日本医療データセンターを設立。

連載の紹介

レセプトを読み解く
日本医療データセンター(JMDC)では、複数の大手健康保険組合からのレセプトや健診データを基に、様々な分析を行ってます。1000万件を超える膨大なデータから、同社社長の木村氏が、医療の「今」を探ります。

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