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 パナソニックのオートモーティブ&インダストリアルシステムズ(AIS)社でエナジー担当兼エナジー事業担当CTO(最高技術責任者)を務める生駒宗久氏は2019年1月16日、展示会「オートモーティブワールド」のセミナーに登壇し、同社における車載用電池開発の取り組みについて語った()。その中で同氏は、電気自動車(EV)向けのリチウムイオン電池(LIB)セルの今後について、エネルギー密度で円筒形は約2倍、角型は3倍強を目指すことを明らかにした。出力密度については、ハイブリッド車(HEV)向けの角型セルで約2倍を目標として掲げる。

図 パナソニックのAIS社でエナジー担当兼エナジー事業担当CTOを務める生駒宗久氏
図 パナソニックのAIS社でエナジー担当兼エナジー事業担当CTOを務める生駒宗久氏
展示会「オートモーティブワールド」(2019年1月16~19日開催)のセミナーで撮影。
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 同社は、現状のEV用LIBセルのエネルギー密度を公表していない。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の調査によれば、米テスラ(Tesla)のEV「モデルS」(2017年モデル、搭載電池容量100kWh)に採用されている「18650」サイズの円筒形LIBセルのエネルギー密度は243Wh/kg。同「モデル3」(2017年モデル)に採用されている「2170」サイズの同セルの同密度は260Wh/kgとみられている。生駒氏は、EV用LIBセルのエネルギー密度は「2020年くらいまでは現行LIBの延長線上。それ以降は、新たな材料革新を投入していき、LIBの限界に挑戦することになる」と語った。そのポテンシャルは「2~3倍」としており、冒頭の目標値はそれを具体化したものとみられる。