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 「デジタルネーティブ世代」と呼ばれる新入社員たち。メールは日常的に使いこなしているはずだから、特段教える必要はないだろうと思うのは大きな間違いだ。若者たちの連絡手段は、LINEかSNSがメイン。ビジネスメールは書き方を知らないどころか、PCでメールをやり取りしたことがほとんどないという新入社員だっている。

 社会人となると、まともなビジネスメールをやり取りできなければ、業務が成り立たないし、事故やトラブルにつながる恐れもある。ベテラン社員なら常識と思うことが、新人には通用しないケースは多々ある。そこで今回は、新人に教えるべきメールの注意点を整理しよう。

ビジネスメールの書き方は分からないという前提で

 筆者が実際に大学生たちに話を聞いたところ、「就職活動のときは大学から与えられたメールアドレスを利用しているが、それ以外のアドレスを持っていない」「携帯メールのアドレス、フリーメールのアドレスを持っているはずだが、普段使わないので自分のアドレスを即座に言えない」といった人たちが何人もいた。

 また、LINEやSNSのダイレクトメールでは、「○日、空いてますか?」のように、いきなり用件から始めるのが普通。それにしか慣れていないからか、メール、とりわけビジネスメールでは、まず「○○社××部、○○様」とメール本文にも宛名を入れて、「お世話になっております」から書き始めるのが普通だということを知らない人もいたから驚きだ。

 メールの件名の付け方、本文の書き方、署名の入れ方など、ビジネスメールの主なフォーマットの説明は、新人研修に組み込まれているはずだ。もしそうでなければ、部署に配属された新人に教える必要がある。

 メールの書き方すら危ういのだから、CCやBCCを使いこなせる新人は極めてまれだと考えた方がいいだろう。実際、BCCで送るべきメールで、アドレスを全て宛先(TO)に入力して一斉送信してしまった例は、何度も見聞きしたことがあるはずだ。

TO、CC、BCCの違い
TO、CC、BCCの違い
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 例えば、一斉送信メールを送る場合は、宛先(TO)に自分のアドレスを入力する。そして、BCCに送信相手のアドレスを入力するのが基本だ。

一斉送信メールを送る場合は、宛先を自分のアドレスにして、BCCに送信相手のアドレスを入力する
一斉送信メールを送る場合は、宛先を自分のアドレスにして、BCCに送信相手のアドレスを入力する
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