航空宇宙分野の展示会「国際航空宇宙展2018東京」(2018年11月28~30日、東京ビッグサイト)の併設セミナーで、「ボーイングが創立100年の後に考える未来の空の旅」と題し、Boeing Commercial Airplanes、Director、Product Strategy and Future Airplane DevelopmentのJoseph M Keegan氏が登壇し、同社の現状と将来の取り組みについて講演した。講演では、「エアタクシー」などの新しい空のモビリティーや、航空分野におけるAI技術の重要性などを説いた。なお、講演の撮影は報道機関を含めて禁止だった。

 日本でのイベントということで、講演ではまず日本の状況を振り返った。現在、150社ほどの日本企業によるサプライチェーンがあるという。現在は最終組み立てまで日本で行っている機体もあり、日本がBoeing(ボーイング)にとって重要なパートナーだということを強調した。市場としても大きく、日本航空(JAL)や全日本空輸(ANA)といった日本の航空会社は、累計で1000機以上の旅客機をボーイングから購入したとする。

 次に、「ワイドボディ」と呼ばれる双通路の787型機や777型機の状況について語った。787型機はこれまで55の航空事業者に対して700機ほどが納入されたという。既に2億5500万人の乗客を運んだ実績がある。

787型機の「787-10」(写真:Boeing)
787型機の「787-10」(写真:Boeing)
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 777型機に関しては、最新機種の「777X」を紹介。777Xは2020年の就航が予定されている機体で、2018年中にアセンブリが終了し、2019年から飛行試験が始まる。競合の機体に比べて、約12%の燃費改善を実現したという。全長は約77m(「777」-9Xの場合)と、これまでの旅客機の中で最長とする。

777X(写真:Boeing)
777X(写真:Boeing)
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