3月29日、東京・日比谷で注目の大型施設「東京ミッドタウン日比谷」がオープンした。低層部に配置した商業エリアには、ライフスタイルにこだわる顧客層を狙い、新たなビジネスモデルに挑戦する出店が相次いだ。建物内の写真などとともに、商業エリアの見どころをお伝えする。
建物は地下4階、地上35階建ての超高層で、延べ面積は約18万9000m2。地下1階から地上7階までの商業エリア約1万8000m2に軒を連ねるのは、日本初出店6店舗、新業態22店舗、商業施設初出店15店舗などの60店だ。商業環境デザインは乃村工芸社が手掛けた。
商業エリアは、1階をプレミアムライフスタイルゾーン、2階を上質なファッションゾーンとし、3階には情報発信型のライフスタイルショップを並べた。飲食店は、眺望の良い日比谷公園や、中空階に設けた「パークビューガーデン」側に寄せて配置している。
東京ミッドタウン日比谷は、「三信ビル」(1930年竣工)と「日比谷三井ビルディング」(1960年竣工)の跡地を再開発した事業で、事業主は三井不動産だ。2014年に東京圏で初となる国家戦略特別区域の認定を受けた。
同社には、「JAPAN VALUEを発信し続ける街」をコンセプトとする街づくりブランド「東京ミッドタウン」があり、2007年に第1号として六本木に開業した。日比谷はそれに次ぐ2件目に当たる。六本木では、「多様性」「もてなし」「創造性」「持続可能」をコンセプトとした。日比谷では、それらに加えて、新産業創出と芸術文化・エンターテインメントの先端拠点となることに力点を置く。
顧客ターゲットは「自分らしさを追求する人たち」と三井不動産ミッドタウン日比谷事業室の豊蔵英介室長は説明する。商業エリアのコンセプトは「THE PREMIUM TIME, HIBIYA」だ。「非日常感のあるハレの場を提供したい」と豊蔵室長は語る。