コロナ禍をきっかけに在宅勤務に移行し、現在も引き続きテレワークを実施している企業は多い。しかし企業によっては、会社にいなければ経営数値をまとめられないという理由から、経営企画や財務・経理の社員が交代で出社している場合もあるようだ。ウィズコロナ時代のニューノーマルを見据え、テレワークでも経営数値を把握できるようにするには、どんな取り組みを行う必要があるのだろうか。

経営上の意思決定に使うデータを迅速に準備できるか

 会社の目的は、言うまでもなく事業を行って利益を出すことにある。利益目標を達成するために売上、経費などの経営数値を把握し、必要な経営判断や資金調達を行うのが経営者の仕事だ。そんな経営者の迅速な意思決定を支援するために、経営企画部門や財務・経理部門の社員は経営数値のあらゆるデータを集計・分析して資料を取りまとめるという業務をこなす ―― どの企業にもよく見られる光景だ。

 近年は企業規模の大小を問わず、売上や経費などを会計システムで管理するのが当たり前になっている。大企業では、経営に必要な情報を一元的に管理する本格的なERPシステムを導入しているケースも多いだろう。中小企業では会計ソフトの導入が一般的だが、小規模企業の中にはExcelなどの表計算ソフトが使われている場合もある。いずれにせよ何かしらのシステムが使われている。

 だが、経営者が使う経営数値の管理はまた別の問題だ。数値が複数のシステムに分散しているため、資料を作成するたびに各システムにアクセスして必要なデータをコピーし、Excelのワークシートに貼り付けて集計するといった作業が行われていることが多い。それがルーチンワークになっていれば、特に不満を感じることもなかったはずだ。ところがコロナ禍によって事情が一変してしまった。

 経営企画部門や財務・経理部門の社員が在宅勤務に切り替えてテレワークを実施しようにも、社外からシステムにアクセスすることが禁止されている。経営数値のデータを取得してExcelのワークシートにまとめるという作業がテレワークで行えず、担当者が出社しなければならないケースが出てきたのだ。

 コロナ禍が続くなか社員の安全を守るためにも、こうした状況をできる限り早く是正しなければならない。いったい、どのようにすればよいのだろうか・・・?

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