「2018 Symposia on VLSI Circuits」(6月18日~22日に米国ハワイ州ホノルルで開催)のSession 6「Adaptive and Application Specific Digital Circuits」では、用途や動作条件などに適応するデジタル回路技術が4件発表された。特に注目すべきは、2~4件目は、すべて実際のプロセッサーに実装されて動作確認がされている点である。それぞれ北米の大学からの発表であるが、大学からの発表の完成度が上がっていることがうかがえる。

 このセッションの1件目は、数年前からSymposia on VLSI Circuitsでも始まった招待講演である。元々、この国際会議はICの回路技術に関する会議であるが、回路技術をいかに使ってシステムを作っていくかという技術に関してもスコープに入っており、そのようなシステムに組み込む技術が招待講演として組み込まれていることが多い。この会議のメインの参加者である回路技術者も、回路技術をシステムにいかに組み込んでいくかに関しても注目しており、回路技術だけでなくシステムを考慮した技術というのはこの分野での1つの方向性であるといえる。