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 ホンダは2019年12月19日、新型の電動スクーター「ベンリィe:」シリーズを2020年4月に発売すると発表した。第一種原動機付自転車(原付一種)の「ベンリィe:Ⅰ」2車種と、第二種原動機付自転車(原付二種)の「同Ⅱ」2車種の合計4車種を用意する(図1)。

「ベンリィe:」シリーズ
図1 電動スクーター「ベンリィe:」シリーズ
手前にあるのが着脱式の電池パック。(撮影:日経Automotive)
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 新型車は配達などの法人向けに販売し、一般向けの販売は見送った。同日に会見したホンダ常務執行役員で二輪事業本部長の阿部典明氏は、「充電インフラを整備しないと、一般向けの販売は難しい。価格も高いため、法人向けの方がハードルは低いと判断した」という。4車種の合計で、年間200台の販売を目指す(図2)。

阿部典明氏
図2 ホンダ常務執行役員の阿部典明氏
(撮影:日経Automotive)
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 今回の新型車のような電動二輪車を普及させるには、価格や動力性能、航続距離などを、現行のガソリン車になるべく近づけなければならない。走行用電池パックの充電作業を、ガソリン車の給油のように短時間で簡単にできるようにする必要もある。

 新型車は着脱式のリチウムイオン電池パックを、座席の下に2個搭載する。2018年から法人向けにリース販売している電動二輪車「PCX エレクトリック」に搭載する電池パックと同じものである(図3)。

座席の下に電池パックを搭載する
図3 座席の下に電池パックを搭載する
(撮影:日経Automotive)
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 総電力量1kWh の電池パック1個の満充電時間は約4時間だが、満充電した電池パックをあらかじめ複数用意しておけば、電池パックを入れ替えるだけで充電作業ができる。近距離の配達などで使う法人用途であれば、事務所に戻って電池パックを交換し、次の配達に向かうことができる。