世界の大手自動車メーカーが「車載Ethernet」の採用にかじを切り始めた。2019年以降、さらに採用企業が増える見込みだ。その発端はトヨタ自動車。同社は2007~2008年に採用を検討し始めた。以来、車載EthernetはBMWが採用するなど着実に利用が進んできた。本連載ではオフィスなどIT現場のEthernetとは全く異なる車載Ethernetの歩みを振り返る。
トヨタが始めた「クルマにイーサネット」
目次
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電気自動車にEthernet、日産が周辺監視用カメラのECUに
日本車にも車載Ethernetの波
日経 xTECH編集部と日経BP総研が実施した分解調査から、日産自動車が2017年10月に発売した新型「リーフ」に利用したことが判明した。車載Ethernetは、データ伝送速度が高速、車載ネットワークを簡素化しやすい、IPベースでデータをやり取りできるのでクラウド側との連携がより容易、といった利点…
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ホテル向けEthernet技術をBMWが車載用にかじ取り
コスト削減と高速化を物理層で、UTP1対で100Mビット/秒
車載用途での利用拡大に向けた課題のうち、導入コストとデータ伝送速度に関しては、物理層で解決する動きが活発化している。導入コストの中でも、ケーブル・コストの削減が、焦点の一つになっている。
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ベストエフォートのEthernetをクルマでどう使うか
解決に向けた動きが活発化
期待が高まるEthernetだが、車載用途で利用するには、(1)リアルタイム性、(2)フェイルセーフ、(3)導入コスト、(4)データ伝送速度の面で課題がある。中でも、リアルタイム性とフェイルセーフの課題解決が、車載での用途拡大には不可欠だ。
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Ethernetがクルマに載るとオープン化が加速する
リアルタイム性とフェイルセーフを確保へ
自動車内のECUや電装品同士を接続するネットワーク、いわゆる車載LAN規格に「Ethernet」を利用しようと、自動車業界がかじを切り始めた。Ethernetは、既に2008年ごろから自己故障診断(OBD)用途で実用化が始まっている。今後は、リアルタイム性の向上やフェイルセーフの確保、コスト削減、…
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Ethernetを選んだトヨタ、制御系と情報系を包含
規格を策定、標準化にも積極的
トヨタ自動車は、Ethernetをベースにした新しい車載LANインタフェース規格の策定に動き出した。ルネサス エレクトロニクスや米Broadcom社と組み、国際標準化に向けた活動も始めている。同規格に興味を示すドイツBMW社や米General Motors(GM)社などとも、今後協調していきたいと…