米Googleのスマートフォン「Google Pixel 3 XL」を分解した。米Appleの「iPhone XS」などと比べるとその実装技術は洗練されているとは言い難い。ただ、ディスプレーには次世代スマートフォンで主流になる可能性がある技術が採用されている。タッチパネルの透明電極に使われている線幅2µmのワイヤーメッシュである。

 米Google(グーグル)は2018年11月1日に同社のスマートフォン「Google Pixel 3 XL」を日本で発売した(図1)。Pixelシリーズは既に3代目だが、日本で発売されるのは今回が初めて。本誌は数人の技術者の協力を得てこのスマートフォンを分解した注1)

(a)Google Pixel 3 XL
(a)Google Pixel 3 XL
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(b)(a)の裏面
(b)(a)の裏面
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図1 ワイヤーメッシュは視認できない
Google Pixel 3 XLの外観。ストレージ容量は64Gバイト。色は「Clearly White」。ディスプレーには有機EL(OLED)を採⽤している。画⾯サイズは6.3型で、画素数は2960×1440画素である。後述するタッチパネル用透明電極のワイヤーメッシュは肉眼では確認できない。(撮影:加藤 康)
注1) 分解はものづくりコワーキングスペースのDMM.make AKIBA(東京・千代田)で実施した。分解に参加したスタッフの中には、元ソニーの技術者もいる。ディスプレーの分解と解析にはタッチパネル研究所(東京・八王子)の協力を仰いだ。