山口県は11月1日、大型貨物船の衝突で下弦材や対傾構など16カ所以上が変形した大島大橋(柳井市、周防大島町)の復旧工事に着手した。橋の耐荷力が低下したため、事故があった10月22日以降、通行規制を続けている。まずは損傷箇所にバイパス材(補強材)を設置して耐力を確保し、12月上旬までに通行規制を解除する考えだ。
早期に復旧するため、調査、設計、施工を随意契約でJFEエンジニアリングに一括発注した。大島大橋は同社の前身の日本鋼管が横河橋梁製作所(現・横河ブリッジ)とのJVで建設したため、早急な対応ができると判断した。契約金額は22億7000万円。
損傷した大島大橋は、1976年に完成した橋長1020mのトラス橋だ。瀬戸内海に浮かぶ周防大島と本州を結ぶ唯一の陸路で、桁下に送水管や通信ケーブルといったライフラインを通している。貨物船は大島大橋の中央径間に衝突して部材をねじ曲げ、送水管などを切断した。
復旧工事は2段階に分けて実施する。まず仮復旧として、変形した3カ所の下弦材に対し、それぞれ損傷箇所をまたいで下弦材と同程度の断面のバイパス材を取り付け、耐力を確保する。