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 ファナックは新しい協働ロボット「CRX-10iA」の販売を始める。人が直接、ロボットを手に取って、動作を教え込む機能を搭載する。ティーチングの手間を減らせるのがメリットだ。白色で細いきょう体が目を引く。2019国際ロボット展(2019年12月18日~21日、東京ビッグサイト)で展示した。

ファナックの協働ロボット「CRX-10iA」
ファナックの協働ロボット「CRX-10iA」
きょう体は白くて細い。同社の他製品と比べると、きゃしゃな印象を受ける。人が手で積極的に触れることを前提にしている。(写真:日経 xTECH)
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 同社がこれまで販売してきた協働ロボット「CRシリーズ」は人が触れると安全に停止する機能を備え、緑色のきょう体が目印だった。協働ロボットは人と共に作業することを前提としており、安全柵を必要としない。

 今回のCRX-10iAでは、人がロボットのきょう体をつかんで動かし、動作を教示できる機能を搭載した。これまでと同じく人に衝突したときの安全性を確保しつつも、むしろ積極的に人がロボットに触れることを前提としている。そのためか、きょう体の表面は滑らかな流線型である。人の手がロボットの関節に挟まれにくい構造を取る。

 制御軸数は6軸、可搬質量は10kg、動作範囲はX1240×Y2480mm。床置きや天つりの他、傾斜を付けた場所にも設置できる。動作範囲をX1410×Y2820mmに拡大したモデル「CRX-10iA/L」も用意した。