わが国の新型コロナ感染症(COVID-19)の第1波が収束した今、日本の死亡率が欧米に比し2桁少ないことが世界的な注目を集めている。その説明として、日本人特有の生活習慣、遺伝子素因、行政の取り組み、医療体制などが挙げられている。それぞれについて今後の綿密な評価、研究が期待される。しかし一般的に言って、これらの因子が単独では若干の差をもたらすとしても、2桁もの差を生み出すとは考え難い。複数の因子の複合と考えるべきだろう。
地球全体に視野を広げて見ると、COVID-19の人口100万人当たりの国別死亡率には驚くべき差がある。西欧諸国、北米などでは軒並み3桁である一方、日本を含む東アジア諸国、中東の一部の国々などでは1桁である。実に100倍の差である。また中東、ロシア、東欧などは、その中間の2桁である(表1)。
シリーズ◎新興感染症
緊急寄稿◎新型コロナへのBCG仮説を中心に諸因子を考える
新型コロナ、日本の低い死亡率は“幸運”だから?
徳田均(JCHO東京山手メディカルセンター)
2020/06/16
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連載の紹介
シリーズ◎新興感染症
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)および新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する話題を中心にお届けしています。
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