本講座は都合により中止とさせていただきました。
何卒ご了承くださいますようお願い申し上げます。

セミナー紹介

 2018年12月14日の技術者塾「新時代のアンテナ設計、小型の機器やケースに上手に組み込む」では、IoT普及に伴い小さな無線端末に組み込むアンテナ設計についてのセミナーを開催しました。このセミナーの内容は、日経エレクトロニクス 2019年5月号~7月号に連載記事「無線を扱う前に知っておくべきこと」として掲載されています。

 講師が常日頃、世の中のアンテナを見て非常に気になっていたことがあります。それは、超近距離通信用アンテナやUHF帯RFID用アンテナに、遠距離通信用アンテナを流用していることです。

 超近距離通信用アンテナ(準静電界領域での通信)に遠距離通信用の高性能なアンテナを流用すると、通信距離が短いため通信はできてしまうのですが、準静電界における電界分布を理解し、超近距離通信用に特化したアンテナを設計すれば、空間の伝搬効率が向上し、結果的に送信機の送信電力をより小さくできます。すると、消費電力の少ない IoT無線端末が実現できるようになります。さらに、超近距離通信用アンテナは電磁気学的な設計というよりは電子回路の設計に近いこともあり、超近距離通信の無線システムを設計する場合、電子回路だけでなるアンテナと組み合わせて設計することにより、システム全体の低消費電力化が図れます。

 また、市販の部品を入手しやすくなった反面、アンテナ設計者の業務の範囲が狭まり、周辺領域に目が向かなくなっていることも気になります。

 講師は1984年から反射型RFID(講師が在籍していた社内ではトランスポンダと呼んでいました)の開発に従事しましたが、当時は電子回路(RFID用ICチップ)とアンテナを一体化して設計していました。このため、設計者にとって、RFIDの通信距離を延ばすためには、変調方式(キャリアを断続するASKと連続キャリアのPSK)の違いにより、RFIDタグからの反射を最適化するために、アンテナの給電点インピーダンスを変えて設計することは常識でした。しかし、近年は、市販のRFID用ICチップを購入してきて、設計者はアンテナのみを設計するようになりました。その結果、RFIDは変調方式により、アンテナの給電点インピーダンスが異なることが忘れられているように思います。

 今回のセミナーでは、遠距離通信用アンテナ、超近距離通信用アンテナ、UHF帯RFID用アンテナを区分し、それぞれの最適なアンテナ設計についてお話しします。 目的別のアンテナ設計の違いが理解できると、「超近距離通信IoT機器の低消費電力化を図りたい」「UHF帯RFIDの通信距離を延ばしたい」といったニーズに対して、競合他社の製品よりも高性能の製品を開発できるようになります。受講者の皆様が知りたいことを項目ごとに整理し、目的別の最適なアンテナ設計をまとめます。「1日で、用途に合わせた最適なアンテナについて理解したい」という方々に、ぜひ聴いていただきたいセミナーです。


受講効果

チェック遠距離通信用アンテナ、超近距離通信用アンテナ、UHF帯RFID用アンテナの違いを理解します。

チェック最適なアンテナ設計により競合他社の製品よりも高性能の製品を開発できるようになります。

チェック1日で、用途に合わせた最適なアンテナ設計を学びます。

開催概要

セミナー名 遠距離通信、超近距離通信、UHF帯RFID 目的別アンテナ設計の要諦
日時 2019年 9月 19日(木) 10:00~17:00(開場9:30)予定
会場 東京・神田
エッサム神田ホール 1号館
JR神田駅東口 徒歩1分、東京メトロ銀座線神田駅 3番出口すぐ
受講料

49,800円(税込み)

定員 60名
※最少開催人数(15名)に満たない場合は、開催を中止させていただくことがあります。
主催 日経 xTECH 日経エレクトロニクス

講師紹介

根日屋 英之(ねびや ひでゆき)氏
アンプレット通信研究所(A.C.L.)

根日屋 英之<span class="fontSizeS">(ねびや ひでゆき)氏</span>

1980年に日産自動車入社、車載用電子機器を設計。その後、日立湘南電子(現・日立情報通信エンジニアリング)、東京大学 生産技術研究所、日立製作所で、人工衛星搭載用無線通信機、衛星地上局、RFID、光通信装置などの研究・開発に従事。1987年に無線製品の民間研究・開発会社「アンプレット」を設立し、現在に至る。無線関連企業の役員や技術顧問、大学での研究員や講師を兼務しながら、製品開発や技術支援、人材育成などを手掛ける。1990年代初めから、大韓民国通産部 中小企業振興公団からの招聘で、ワイヤレス機器の設計技術指導を行い、韓国での世界初のCDMA携帯電話サービスに向けての端末機設計に従事する。近年では、近距離無線や人体通信を医療現場で活用する研究を行っている。

アンプレットでこれまでに手掛けた受託開発案件は、携帯電話端末、ワイヤレス・ブロードバンド装置、近距離無線機器、衛星通信機器、RFID、ミリ波衝突防止レーダ、人工衛星レーザ測距装置、ページャ、組込無線機器、人体通信装置などがある。

プログラム (10:00~17:00)

1. はじめに

2. アンテナ設計を学ぶ前に

2-1. 数学と物理を結びつける

2-2. 電磁波は波動

2-3. Maxwellの方程式

3. アンテナと伝送路

3-1. グラウンドについて

3-2. 雑音発生のメカニズム

3-3. 平衡型アンテナと不平衡型アンテナ

4. インピーダンス

4-1. アンテナのインピーダンス

4-2. 特性インピーダンスとは

4-3. インピーダンス マッチング

5. 遠距離通信用アンテナの設計

5-1. 線状アンテナ

  • アンテナとグラウンドの関係
  • 線状アンテナの小形化

5-2. 平面アンテナの設計

  • 波長短縮と誘電率
  • 平面アンテナの設計
  • 平面アンテナの円偏波化

6. 変調方式により設計概念が異なる UHF帯RFID用アンテナ

6-1. RFIDの動作原理

6-2. 通信距離を延ばすためのアンテナ設計ノウハウ

7. 超近距離通信用アンテナの設計

7-1. 近傍界通信とは(IEEE 802.15.6 人体通信)

7-2. 近傍界アンテナと遠方界アンテナは別物

7-3. 近傍界アンテナ(電極)の設計

7-4. 近傍界アンテナが新しい市場を造る

8. 質疑応答

※プログラム内容・講師は予告なく変更になることがあります。予めご了承ください。

【お申し込み注意事項】

  • ※満席になり次第、申込受付を締め切らせていただきますので、お早めにお申し込みください。
  • ※お申し込み後のキャンセル、ご送金後の返金はお受けいたしかねます。申し込んだ方の都合が悪くなった場合は、代理の方が出席くださいますようお願いいたします。
  • ※受講料のお支払い: お支払方法が「請求書」の方には、後日、受講証・請求書を郵送いたします。ご入金は銀行振込でお願いいたします。なお、振込手数料はお客様のご負担となりますのであらかじめご了承ください。クレジットカード払いの場合、受講証・請求書の郵送はありません。お支払い手続きにて決済が完了した後、以下「MyPageメニュー」にお申し込み内容と受講証が表示されます。セミナー当日、ご自身で印刷した受講証をご持参いただくか、携帯端末などにMyPageから受講証を表示いただくようお願いいたします。
    下記Mypageにて申し込み状況を確認いただけます。
    <MyPage>https://ers.nikkeibp.co.jp/user/myPageLogin/
  • ※講師企業と競合すると考えられる製品やサービスなどをご提供される会社の方は、主催者の判断に基づき受講をお断りさせていただく場合がございますので、あらかじめご了承ください。
  • ※会場までの交通費や宿泊費は、受講される方のご負担となります。また、お子さま連れでのご参加はご遠慮ください。
  • ※講師の急病、天災その他の不可抗力、またはその他やむを得ない理由により、講座を中止する場合があります。この場合、未受講の講座の料金は返金いたします。