セミナー紹介

 半導体産業で活用されてきたプラズマ技術は、大気圧プラズマの進展により、自動車産業や医療/バイオ分野へと応用が急拡大しています。低温大気圧プラズマや液中プラズマの開発によって、材料表面の改質や、医療現場で活用が活発化しています。

 プラズマプロセスは化学反応が複雑なため、使いたい用途ごとに取り扱いが難しいと考えられがちですが、キーポイントを押さえた理解により大きなメリットを創出できます。本講座は大きく2つの講義とQ&Aおよび講師の厚意による大学訪問を予定しています。講義の前半は、大気圧プラズマの要点を基礎から分かりやすく振り返ります。後半は、最新技術と展開について事例を中心にこれからの技術課題と展望をまとめます。Q&Aでは、時間の許す限り様々な質問にお応えすることで、明日からの業務にも役立つ内容を目指します。

 講座終了後は講師の厚意によりオプションとして、名古屋大学プラズマ科学プラットフォームと大気圧プラズマのデモ実験を見学いたします。低温プラズマ科学研究センターは、2,000m2のクリーンルームに150台を超える様々なプラズマ関連装置を設置し、材料技術からプロセス技術、バイオ関連実験までを総合的に行っている、日本最大級の研究施設です。

 施設見学は、講座終了時に希望を募ります(集合場所までのご案内をお渡しします)。最寄り駅から15分程の移動です。見学できる装置については、下記プログラムをご覧ください。


 受講効果

チェック表面技術だけではなく、医療などでも注目のプラズマ技術の最新の動向がわかります

チェックわかりづらいと考えられがちな、プラズマ化学反応を短時間で理解します

チェック講義後には、講師の厚意により最新研究施設を見学できます

開催概要

セミナー名 自動車、医療/バイオ産業を変革する大気圧プラズマ新技術とその活用
日時 2019年 11月 14日(木)10:00~16:00(開場 9:30予定)
会場 愛知・名古屋
ホテル ルブラ王山
名古屋市千種区覚王山通8-18
地下鉄東山線池下駅下車 2番出口(サンクレア池下地下1階)より徒歩3分
受講料

49,800円(税込み)

定員 60名
※最少開催人数(20名)に満たない場合は、開催を中止させていただくことがあります。
主催 日経 xTECH 日経エレクトロニクス

講師紹介

堀 勝(ほり まさる)氏
名古屋大学低温プラズマ科学研究センター長
名古屋大学未来社会創造機構 機構長補佐

堀 勝<span class="fontSizeS">(ほり まさる)氏</span>

昭和58年4月 名古屋大学大学院工学研究科博士課程後期課程電子工学専攻入学
昭和61年3月 同上 修了 工学博士(名古屋大学)
昭和61年4月 (株)東芝 総合研究所超LSI研究所 入社
平成4年4月 名古屋大学助手(工学部)、平成6年4月 名古屋大学講師(工学部)、平成8年7月 名古屋大学助教授(工学部)
平成9年8月~12月 英国ケンブリッジ大学キャベンディッシュ研究所 客員研究員
平成16年4月~ 名古屋大学教授(工学研究科)
平成21年4月~平成25年3月 名古屋大学大学院工学研究科附属プラズマナノ工学研究センター長
平成23年11月~ NU-SKK先進プラズマナノ材料研究所長(韓国)
平成25年8月~ 名古屋大学プラズマ医療科学国際イノベーションセンター長
平成26年4月~ 名古屋大学 未来社会創造機構・人とモビリティ社会の研究開発センターくらし・健康基盤情報部門長
平成26年4月~ 名古屋大学教授(未来社会創造機構)
平成28年4月~ 名古屋大学未来社会創造機構 機構長補佐
平成31年4月~ 名古屋大学低温プラズマ科学研究センター長

プログラム

10:00~16:00

1. 大気圧プラズマの現状と将来動向

    プラズマの基本事項についての振り返りです。特に大気圧プラズマの開発により、活用の範囲が大きく広がってきたことについて触れます。

2.大気圧プラズマの基礎

    大気圧プラズマの物理的な基本事項を解説します。数式なども若干使用しますが、以降の理解にも必要な部分を厳選しました。不明点はその場で質問していただければ、追加で説明いたします。

3. 多様な大気圧プラズマの原理、装置の構造

    実際に工業用途でプラズマを扱うには様々な装置が必要になります。ここでは、必要な用途に合わせた大気圧プラズマ装置について最新動向を含めて解説します。

4. 大気圧プラズマ計測技術の基礎と実例

    ここでは、様々あるプラズマ計測について、基礎から学びます。測定方法の特徴によって必要なプラズマの状態を測定していくことができます。

5. 大気圧プラズマを用いた表面改質プロセスの基礎と実際

    すでに自動車、航空宇宙、メディカル、燃料電池、電子部品などの分野で活用が進んでいます。ここでは、活用が進んでいる自動車ボディの各種接着部分や塗装前処理、センサ部分、クリーニングなどでの事例を紹介した後、表面改質に必要な基礎部分について解説します。

6. 低温大気圧プラズマの医療/バイオ応用の最前線

    半導体プロセス技術での応用から活用が進んだプラズマ技術ですが、最近では非常に広い分野での利用されるようになってきました。本章では、進歩が目覚ましい医療へのプラズマ応用について、「がん治療」への挑戦や止血への有効性など、様々な最新の話題について解説します。農業については、作物の生育促進が確認されるなど新しい応用が見えてきました。事例をあげて説明いたします。

7.まとめと将来展望

    新しいプラズマ活用の話題として、医療や農業への応用が進む中、バイオ関連全般へのプラズマ応用が期待されるようになってきました。ここでは、これまでのまとめとプラズマ活用の今後の展望について議論します。解説します。

8. Q&A

※講座終了後、希望者は名古屋大学へ移動

見学できる主な装置

名古屋大学プラズマ科学研究プラットフォーム
独自に開発した「世界唯一の装置」も含め、154台の機器を整備しています。以下に、主な装置を紹介します。

●表面解析プラズマビーム装置
プラズマビームを材料表面に照射し、in-situ XPSによって評価することによって、表面-プラズマ間の反応の解析が可能です。また、イオンおよびラジカルの入射フラックス比を変化させた表面状態の解析も可能です。

●ラジカル計測付多目的プラズマプロセス装置
プラズマ中のラジカルやイオンの密度やエネルギーと、基板表面の反応状態を、プロセス中にリアルタイム計測し、フィードバック制御することによって最適なプロセス処理が可能な自律型プラズマナノプロセス装置。

●プラズマ支援原子層堆積装置
プラズマを用いて原子層での膜堆積を行う。また、製膜中の膜質をその場のin-situでFTIR評価することが可能です。

装置画像1
  
装置画像2

その他にも様々なプラズマ関連装置が稼働しています。


【お申し込み注意事項】

  • ※満席になり次第、申込受付を締め切らせていただきますので、お早めにお申し込みください。
  • ※お申し込み後のキャンセル、ご送金後の返金はお受けいたしかねます。申し込んだ方の都合が悪くなった場合は、代理の方が出席くださいますようお願いいたします。
  • ※受講料のお支払い: お支払方法が「請求書」の方には、後日、受講証・請求書を郵送いたします。ご入金は銀行振込でお願いいたします。なお、振込手数料はお客様のご負担となりますのであらかじめご了承ください。クレジットカード払いの場合、受講証・請求書の郵送はありません。お支払い手続きにて決済が完了した後、以下「MyPageメニュー」にお申し込み内容と受講証が表示されます。セミナー当日、ご自身で印刷した受講証をご持参いただくか、携帯端末などにMyPageから受講証を表示いただくようお願いいたします。
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  • ※講師の急病、天災その他の不可抗力、またはその他やむを得ない理由により、講座を中止する場合があります。この場合、未受講の講座の料金は返金いたします。