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 日本の自動車メーカーが収益悪化に苦しむ中、SUBARU(スバル)の業績が好調だ。同社が2019年8月5日に発表した2019年度第1四半期(2019年4~6月)の連結決算は増収増益だった。世界販売台数も、前年同期の実績を上回った。

 主力市場の米国における販売が好調だったことが増収増益に寄与した。同日に会見した同社取締役専務執行役員CFO(最高財務責任者)の岡田稔明氏は、「インセンティブ(販売奨励金)を減らしながら、販売台数を増やせたことが大きかった」と述べた(図1)。

岡田稔明氏
図1 スバル取締役専務執行役員CFOの岡田稔明氏
(撮影:日経Automotive)
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 2019年度第1四半期の世界販売台数は、前年同期に比べて8.8%増加の26万2600台。世界販売台数の約70%を占める米国の販売台数は、同9.6%増加の17万9300台であり、第1四半期で過去最高を記録した。

 2018年度第1四半期の車両1台当たりの平均インセンティブは2500ドル(1ドル=106円換算で26万5000円)だったが、2019年度第1四半期は1750ドル(18万5500円)に抑えた。1台当たりの平均インセンティブを750ドル(7万9500円)も減らしながら、過去最高の販売台数を達成した(図2)。

世界販売台数
図2 2019年度第1四半期の世界販売台数
(出所:スバル)
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 インセンティブを減らしても、小型SUV(多目的スポーツ車)「クロストレック(日本名:XV)」や中型SUV「フォレスター」、大型SUV「アセント」などの新型車の販売が好調だった。

 さらに、全面改良前の中型セダン「レガシィ」と中型クロスオーバーSUV「アウトバック」も、当初の計画を上回る販売を達成した。新型車に加えて旧型車の販売も好調だったことで、「インセンティブを節約できた」(岡田氏)という。