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 国土交通省は、JR東日本が計画中の「羽田空港アクセス線」のうち、羽田空港の敷地内を通るトンネルなどを整備する。施工上の課題が多い開削トンネルの一部を先行して進め、2023年に着工する考えだ。国交省がトンネルなどの基盤整備を担当し、鉄道事業者が軌道やホームなどを整備する。アクセス線に関する基盤整備の事業費は1000億円超を見込む。

 羽田空港アクセス線の新駅は、羽田空港の第1ターミナルと第2ターミナルの間に設ける。国交省が整備するのは、アクセス線が通る空港内のシールドトンネル1.9kmと開削トンネル0.5kmだ(図1)。

図1■ JR線のトンネルの他に京急線も
図1■ JR線のトンネルの他に京急線も
国土交通省が羽田空港に整備するトンネルなどの位置図。国交省の資料を基に日経コンストラクションが作成
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 アクセス線のシールドトンネルは、33パーミルの上り勾配で地下ホーム部分に接続する。接続部と地下ホーム部分は開削トンネルで構築する。

 難工事になりそうなP3駐車場前面の開削トンネル工事については、先行して基本設計を進めている。22年度に詳細設計を実施する計画だ。施工者になる予定の建設会社が技術協力するECI(アーリー・コントラクター・インボルブメント)方式の採用を検討している。

 アクセス線の地下ホーム部分を建設するために、第2ターミナルの南西にあるP3駐車場の出入り口前を通る幅約27mの周回道路の下を開削する。厚い軟弱地盤への対応が必要であるなど技術的な課題が多い。