目標数値をアナログ営業だけで達成することが困難に

 SNSやスマートフォンの普及は、消費行動のデジタル化を急速に促進した。インターネットで情報を収集し、価格やスペックを比較して、スマホで注文する。そんな購買スタイルが、ごく当たり前のものになっている。

 さて、ではモノを売る側はどうだろう。営業の武器は「足」と「KKD(勘・経験・度胸)」。売上が落ちてくれば、新規顧客へ次々にアプローチし、既存顧客の元に足繁く通い、「根性」で数字を上げる──。そんな昔ながらのアナログな営業スタイルが是とされている会社もまだまだ少なくない。

 もちろん、インターネットの時代になっても、対面営業は重要であり続けるだろう。効率最優先で信頼関係の構築をおろそかにしてはいけない。しかし、「昔ながらのスタイルだけ」では、体力勝負が過ぎて非効率なままになっている部分がある。

 例えば、紙の資料を取りにいちいちオフィスに戻って時間を浪費する。確度の低い顧客への訪問を重ねて何の成果も出せない。ほかの営業担当の動きが分からない。案件のステータスが把握できずに顧客に迷惑をかけてしまう。マネジャーはどの部下をどうサポートしていいか分からない──。このような自体が起こっているようなら要注意だ。このままでは、現場は疲弊し、マネジメントは目標数字を達成できない状態に陥るだろう。

 そういった問題の多くは、「使うべき道具」、すなわち「デジタル」を活用していないことに起因する。例えば、顧客情報を「クラウド」というデジタルツールを使って一元的に管理すれば、社内外から誰でもその情報を参照できるようになる。プロジェクトの進捗管理や見積もりなどの帳票管理なども同様だ。

 とはいえ、具体的にどのように営業のデジタル化を進めていけばいいのか。営業の課題もデジタルツールの種類も多すぎて、どこから着手していいか分からない。そんな悩みを持っている営業部門は少なくないのではないだろうか。

 その悩みを解決するために、次ページ以降では簡単に始められる「営業のデジタル化」について紹介していくことにしたい。

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