コネクテッドロボティクス(東京都小金井市)は2020年6月にも、協働ロボットによる食洗機システムの実証実験を始める。天丼チェーンを運営するSRSホールディングスと共同で開発したシステムを、SRSの店舗に導入する計画だ。国際ホテル・レストラン・ショー(2020年2月18~21日、東京ビッグサイト)で実機を展示した。

協働ロボットによる食洗機システム
協働ロボットによる食洗機システム
台湾テックマン ロボット(TechMan Robot)の協働ロボットを採用した。(写真:日経クロステック)
[画像のクリックで拡大表示]

 食器洗いの作業をロボットで完全に置き換えるのではなく、その一部を肩代わりする。画像認識技術、食洗機、そして2台の協働ロボットを組み合わせた。

 まず、従業員は返却棚に届いた食器を目視で確認し、残飯を捨てておく。次に、緑色で区分したカメラの認識領域に食器を伏せる。すると、システムが食器の位置を認識して、ロボットの動作経路を計算。「ブラシによる予備洗い」「洗浄機への投入」「洗浄機からの取り出し」「棚に並べる」といった工程を、自動でこなしてくれる。

予備洗い後の食器をパレットに並べる様子
予備洗い後の食器をパレットに並べる様子
パレットを食器で埋めた後、写真左の食洗機に投入する。(写真:日経クロステック)
[画像のクリックで拡大表示]

 あらかじめ、「どんぶり」「おわん」といった食器の種類を登録しておく。画像処理のための「マーカー(印)」は要らない。食器をカメラの認識領域のどこかに置きさえすれば、洗浄した後、種類ごとに整理して棚に置いてくれる。30分で約20~30人分の食器を処理できる。

 ただし、システムによる一連の作業は、完璧とは限らない。従業員は、ロボットが棚に置いた食器を目視でチェックする。もし食器に汚れが残っていれば、再びシステムに投入して洗わせるという。