宇宙ビジネスが進化している。
電波の反射を利用する「合成開口レーダー」(SAR)。悪天候で雲がかかっていても、深夜で日が差さない場所でも地表を観測できる。技術革新で小型化が進んだSARを活用した新たな人工衛星ビジネスが世界各国で勃興しているのだ。
SAR自体は歴史のある技術だが、かつては大型で国家プロジェクトレベルの大型衛星にしか搭載できなかった。技術革新が進んで小型化され、十分な性能のSARを小型衛星に搭載する技術も確立した。この結果、多数のSAR衛星で運用し、地球上のどこでも24時間、地表を撮像できるように鳴ってきた。
得られたデータを解析し、そこから幅広い情報を得る技術も深層学習(ディープラーニング)などAI(人工知能)技術の進歩により、飛躍的に広がりつつある。駐車場の駐車台数から景気の動向を、田畑の映像から食料の供給量を予想するのも可能になった。
SAR衛星ビジネスに参画し始めている日本の民間企業も既にいる。どのような企業が、どのようなビジネスを展開しようとしているのか。技術的な課題は何か。
SAR衛星による宇宙ビジネスの最新動向を追う。
ノンフィクション作家/科学技術ジャーナリスト