ルネサス エレクトロニクスは、モジュール式のIoTシステム開発プラットフォーム「クイックコネクトIoT」を発表した ニュースリリース 。米Digilent(デジレント)が策定したオープンなインターフェース規格「Pmod」を利用して、ルネサスのマイコン開発ボードに周辺モジュールを接続することで、IoTシステムのハードウエアを容易に構築できる。さらに、同社はソフトウエアも提供することにより、短時間でIoTシステムを開発・試作できるようにする。

「クイックコネクトIoT」のイメージ
「クイックコネクトIoT」のイメージ
中央の紺色のボードがマイコン開発ボード。(出所:ルネサス エレクトロニクス)
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 今回、ルネサスはDigilentと共同で、「Pmod Type 6A expanded I2C」(以下、Pmod 6A)という新しい拡張インターフェース規格を策定した。Pmod 6Aを使うことで、GPIOによるスタンバイ制御やリセット制御が可能になる。ルネサスはこのPmod 6Aコネクターを、マイコン開発ボードや、センサーなど搭載の周辺モジュールボードの標準インターフェースとして装備する。Pmod 6Aコネクターを介して、マイコン開発ボードにセンサーモジュールと通信モジュールボードを接続することで、迅速にカスタムIoTシステムの開発や試作が可能になるという。なお。既存のPmod規格のコネクターの周辺モジュールボードもつなげる。

 さらに、ルネサスは、さまざまなセンサーで共用できるソフトウエアAPI(Application Programming Interface)とHAL(Hardware Abstraction Layer)のコードを調整して、ルネサスの統合開発環境「e2 studio」に組み込んだ。これにより、ユーザーは何百行のドライバーコードを書いてテストすることなく、GUIを通してセンサーを選択して数行のコードを書くだけでセンサーを利用できるため、ソフトウエアの開発負荷を大幅に低減できるとする。

 クイックコネクトIoTの第1弾として、ルネサスは空気質センサー、フローセンサー、温湿度センサー、生体センサーなどを搭載する周辺モジュールボード(Pmod 6Aコネクター装備)を発売した。これらのセンサーをサポートするためのソフトウエアパッケージを用意する。今後、ToF(Time of Flight)式測距センサーなど他のセンサーや、他の機能の周辺モジュールボードを提供予定である。

 現在、同社のRAやRX、RL78ファミリなどの25種類以上の既存マイコン開発ボードには、今回開発した小型インターポーザーボードを介して、Pmod 6Aコネクター装備の周辺モジュールボードを接続できる。今後REやRZ MPUの開発ボードでもPmod 6Aコネクター接続をサポート予定である。