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社会をつくる「原点」に気付かせてくれる言葉

2021/07/30

 国民の反対の声も強い中、東京オリンピックが始まった。新型コロナウイルスはデルタ株への置き換えが急速に進み、医療提供体制の維持に赤信号が灯る。五輪熱気の裏で、コロナの流行拡大に伴う不安感が広がっている。

 前回の1964年東京五輪にはアジア初、有色人種国家初、といった大きなテーマがあった。特にパラリンピックは、まだ障害を持つ人が人目を忍ぶように生活していたころに、障害者スポーツの夜明けを告げる意味があった。

 「東京パラリンピック大会報告書」は、障害者スポーツの父といわれるルードウィヒ・グットマン博士の「失われたものをかぞえるな、残っているものを最大限に生かせ」という思いを紹介した上で、身障者の社会復帰や団結の重要さに言及している。人間は底知れない可能性を秘めている。

著者プロフィール

色平哲郎(JA長野厚生連・佐久総合病院 地域医療部 地域ケア科医長)●いろひら てつろう氏。東大理科1類を中退し世界を放浪後、京大医学部入学。1998年から2008年まで南相木村国保直営診療所長。08年から現職。

連載の紹介

色平哲郎の「医のふるさと」
今の医療はどこかおかしい。そもそも医療とは何か? 医者とは何? 世界を放浪後、故若月俊一氏に憧れ佐久総合病院の門を叩き、地域医療を実践する異色の医者が、信州の奥山から「医の原点」を問いかけます。

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