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 「となりのトトロ」「天空の城ラピュタ」「借りぐらしのアリエッティ」「千と千尋の神隠し」「耳をすませば」――。スタジオジブリ作品の世界観を再現したテーマパーク「ジブリパーク」(愛知県長久手市)の1期工事が完了し、2022年11月1日に開園する。開園に先立って愛知県は10月12日にメディア向け内覧会を開催。ジブリパーク1期エリアの全容が明らかになった。

愛知県は2022年10月12日、開園が目前に迫ったジブリパークのメディア向け先行内覧会を開催した(写真:日経クロステック)
愛知県は2022年10月12日、開園が目前に迫ったジブリパークのメディア向け先行内覧会を開催した(写真:日経クロステック)
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 パークはスタジオジブリ作品の世界観を表現する5つのエリア、計約7.1ヘクタールで構成する。22年11月に先行オープンするエリア(1期)は、パークのメインエリアとなる「ジブリの大倉庫」の他、「青春の丘」「どんどこ森」の計3エリア。2期工事の「もののけの里」エリアは23年秋、「魔女の谷」エリアは24年3月の開園を目指す。

ジブリパーク整備エリアの全体像。愛・地球博記念公園内にスタジオジブリ作品の世界観を再現する。整備するのは1期工事と2期工事を合わせて5エリアで計約7.1ヘクタール(資料:愛知県)
ジブリパーク整備エリアの全体像。愛・地球博記念公園内にスタジオジブリ作品の世界観を再現する。整備するのは1期工事と2期工事を合わせて5エリアで計約7.1ヘクタール(資料:愛知県)
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ジブリパークのメインエリア「ジブリの大倉庫」。「天空の城ラピュタ」「借りぐらしのアリエッティ」といった映画の世界観を再現。温水プール施設を美術館にコンバージョンした(写真:© Studio Ghibli)
ジブリパークのメインエリア「ジブリの大倉庫」。「天空の城ラピュタ」「借りぐらしのアリエッティ」といった映画の世界観を再現。温水プール施設を美術館にコンバージョンした(写真:© Studio Ghibli)
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「青春の丘」エリア。映画「耳をすませば」に登場する「地球屋」などを再現した(写真:© Studio Ghibli)
「青春の丘」エリア。映画「耳をすませば」に登場する「地球屋」などを再現した(写真:© Studio Ghibli)
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「どんどこ森」エリア。愛・地球博で人気だった、映画「となりのトトロ」に登場する「サツキとメイの家」の裏山に、トトロの形を模した木製遊具を整備した(写真:© Studio Ghibli)
「どんどこ森」エリア。愛・地球博で人気だった、映画「となりのトトロ」に登場する「サツキとメイの家」の裏山に、トトロの形を模した木製遊具を整備した(写真:© Studio Ghibli)
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 10月12日の会見には、愛知県の大村秀章知事とスタジオジブリ(東京都小金井市)の宮崎吾朗監督が登壇。大村県知事は「構想から約5年5カ月でジブリパークの実現に至った。本当にうれしく思う。公園施設として、スタジオジブリの世界観を再現した国内唯一の空間だ。国内だけではなく世界中の人々から愛される場になってほしい」と期待を寄せる。

 一方、宮崎監督は「1期工事が無事に終わり、今日という日を迎えられてうれしく思っている。しかし、2期工事も既に佳境に入っている。ジブリの世界観をぎゅっと詰め込んで、ジブリ作品を後世に残していきたい」とコメントした。

2022年10月12日のメディア先行内覧会の記者会見にスタジオジブリの宮崎吾朗監督(左)と大村秀章県知事(右)が登壇した(写真:日経クロステック)
2022年10月12日のメディア先行内覧会の記者会見にスタジオジブリの宮崎吾朗監督(左)と大村秀章県知事(右)が登壇した(写真:日経クロステック)
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 ジブリパーク整備事業は、愛・地球博記念公園の魅力と価値を高めることを目的に県が進めてきたプロジェクトだ。県は周辺自治体や愛知環状鉄道などと連携して整備構想を作成。スタジオジブリが17年5月に整備構想に合意したことで、事業が本格的に動き出した。

 ジブリパークは1期・2期ともにスタジオジブリがデザイン監修、日本設計が設計業務を担当。両社は全体の基本構想・基本設計も担当している。実施設計では建設会社が技術支援するECI(アーリー・コントラクター・インボルブメント)方式を採用。施工者に鹿島を特定した。造形物の制作などは乃村工芸社が手掛ける。

東部丘陵線Linimoの愛・地球博記念公園駅を降りると、目の前に公園のエントランスが見える(写真:日経クロステック)
東部丘陵線Linimoの愛・地球博記念公園駅を降りると、目の前に公園のエントランスが見える(写真:日経クロステック)
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エントランスを抜けると、映画「天空の城ラピュタ」の世界観をモデルにしたエレベーター棟が見えてくる(写真:日経クロステック)
エントランスを抜けると、映画「天空の城ラピュタ」の世界観をモデルにしたエレベーター棟が見えてくる(写真:日経クロステック)
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エレベーター棟を下りて、目の前に見えるのがジブリパークのメインエリア「ジブリの大倉庫」だ(写真:日経クロステック)
エレベーター棟を下りて、目の前に見えるのがジブリパークのメインエリア「ジブリの大倉庫」だ(写真:日経クロステック)
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ジブリの大倉庫には、スタジオジブリ作品の世界観を体験できる施設や、書籍や模型などを購入できる店舗が並ぶ「南街」を設けている(写真:日経クロステック)
ジブリの大倉庫には、スタジオジブリ作品の世界観を体験できる施設や、書籍や模型などを購入できる店舗が並ぶ「南街」を設けている(写真:日経クロステック)
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