Q.メーカーで勤務するSEです。顧客とのリモート打ち合わせに、テレワーク中の自宅より急きょ参加しました。ビデオはオンにすることになっています。Tシャツで登場したところ、後で上司から襟のあるシャツを着なさいと叱られました。自宅なので、Tシャツでもよいと思います。その一件以降、上司とは少し険悪な雰囲気です。

 自宅で出社時のような服装をしている社員はいないはずです。普段着のほか、パジャマやジャージー姿などで仕事をしているのではないでしょうか。会社員の知人たちから、打ち合わせのときは上半身だけ着替えているといった話を聞きます。

状況に応じて着替えたらよい

 同僚間の社内打ち合わせは、Tシャツやジャージーでもよいと思います。質問のケースは、顧客企業の社員がいるので上司の対応も納得できます。

 IT企業ではテレワーク率が高いですが、他業種の顧客はそうだとは限りません。会社の会議室などからの参加ではないでしょうか。服装を気にする顧客もいます。一定の節度を保ったほうがよいと思います。

 質問者は、顧客が打ち合わせの参加者の中にいることを知っていたのであれば、要領よく対応すべきでした。そのときだけ着替えれば済んだことです。そうしている社員もいるはずです。

 上司とそんなことで口論しても疲れるだけです。上司も𠮟かり方がきつかったのでしょう。服装に限らず、職場のトラブルに起因してルール(服務規律)が追加されていくことは多いです。学校の校則のようなものが増え、過ごしにくい会社になっていきます。

社員数が多くなると、服装トラブルも起こる

 服装については、過去にも多くの相談がありました。社員数が増えるほど、思ってもいなかった発言や行動を取る社員が現れます。

 例えば、クールビズのスタイルで上司と部下がトラブルになった相談がありました。真夏にハーフパンツやサンダルで来て、その格好で勤務する社員がいました。上司が注意したとき、部下は「ハーフパンツやサンダルがだめだとは聞いていない」と反論しました。クールビズのスタイルを例示していない会社で起こった話です。クールビズは、暑い季節を軽装などにより適正な室温で過ごすことを目的にしたものです。軽装の捉え方が、上司と部下で違ったのです。

 上司としては「勤務時間中の服装としてあり得ない」と考えたようです。しかし、ルールがないために上司の注意にも根拠がありません。そこで常識論を持ち出して押さえつける苦しい状況になり、さらにひどい口論になります。常識は人によって異なる場合があります。上司の常識が部下の常識とは限りません。

 このようなことが起こる会社では、勤務中の服装ルールが必要になります。服装に関して社員に通知している会社も多いです。

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