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 米住宅建設最大手のLennar(レナー)と、米建設系スタートアップ企業のICON(アイコン)は、米国テキサス州オースティンに住宅街を建設する。住宅100戸を3Dプリンターでつくる。2022年に着工する予定だ。設計はデンマーク・コペンハーゲンと米ニューヨークに拠点を置く世界的に著名な建築事務所のBjarke Ingels Group(ビャルケ・インゲルス・グループ、以下BIG)が担当する。

3Dプリンターでつくる住宅街の完成イメージ。屋根に太陽光発電パネルを載せる計画だ(資料:ICON)
3Dプリンターでつくる住宅街の完成イメージ。屋根に太陽光発電パネルを載せる計画だ(資料:ICON)
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3Dプリンターでつくる住宅街の完成イメージ(資料:ICON)
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 BIGとアイコンは、米航空宇宙局(NASA)が21年8月に発表した火星居住施設「Mars Dune Alpha(マーズ・デューン・アルファ)」を共同で製作している。同施設はアイコンの3Dプリンター「Vulcan(バルカン)」を使っている。

 今回の計画で使用する3Dプリンターもアイコンのバルカンだ。大量の住宅を正確かつ迅速にプリントするために設計・開発されたもので、最大3000平方フィート(約279m2)の構造物までプリント可能だ。プリントした構造物は米国の建築基準、IBC(International Building Code)に基づいており、標準的なコンクリートブロック組積造と同等以上の耐久性がある。

 BIGのパートナーであるマーティン・ヴォールクル氏はリリースの中で、「塑像のように材料を付加しながら製造していく3Dプリンターの造形方法は、これからの建設環境に革命を起こす可能性を秘めている」とコメントした。