三菱重工業は2022年2月7日、21年4~12月期の連結決算を発表した。売上収益は前年同期比1.6%増の2兆6453億円、事業利益は同240.7%増の808億円と増収増益だった。4つの事業セグメントのうち「エナジー」「プラント・インフラ」「物流・冷熱・ドライブシステム」は増収だった一方で、「航空・防衛・宇宙」セグメントは減収だった。

事業セグメント別の売上収益
事業セグメント別の売上収益
(出所:三菱重工業のオンライン説明会)
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 主力の「エナジー」セグメントでは、GTCC(ガスタービンコンバインドサイクル)事業が増収要因となった。航空エンジン事業の売り上げも、新型コロナウイルス感染症の影響から回復基調にあるとする。ただ、昨年度にGTCCの大型受注があった反動などから、同セグメントの受注高は、前年同期から203億円減の8796億円となった。

 唯一減収だった「航空・防衛・宇宙」セグメントの売上収益は、前年同期から1081億円減の4239億円。米Boeing(ボーイング)の減産による影響で、民間航空機の一次請け事業が低調だった。ただ、同セグメントの事業利益は204億円と黒字を確保。「SpaceJet(スペースジェット)」の開発凍結で関連費用が大幅に圧縮され、増益に寄与したとする。

三菱重工業取締役常務執行役員CFOの小澤壽人氏
三菱重工業取締役常務執行役員CFOの小澤壽人氏
(出所:三菱重工業のオンライン説明会)
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 材料費や輸送費の高騰、半導体不足による21年4~12月期の減益影響は240億円。通期の減益影響は300億円ほどを見込む。また、21年度内に予定していた次世代ロケット「H3」の打ち上げ延期に伴う影響は軽微とした。

 22年3月期通期の連結業績予想について、売上収益は前年比1.4%増の3兆7500億円、事業利益は1600億円を見込む。以前の見通しを据え置いた。