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 三井・三菱の巨大プロジェクトが38年ぶりに復活する。三井不動産レジデンシャルと三菱地所レジデンスは、全1002戸から成る大規模分譲マンション「三田ガーデンヒルズ」のレジデンシャルサロンを2022年10月14日に東京タワーの敷地内に開設し、事前案内会(完全予約制)を開始した。

 同時に、第1期販売は23年2月頃の予定であることを明らかにした。販売価格は専有面積が80m2以上の住戸で、2億円以上の価格帯になる見込みである。竣工は25年3月を予定している。

 敷地面積は約2万5000m2と、都内でも特に人気が高い港区で、分譲マンションとしては最大の広さを誇る。「旧逓信省簡易保険局庁舎」跡地で三井不動産グループと三菱地所グループが手を組む、注目の大規模プロジェクトだ。都心で両グループが手掛けるガーデンヒルズブランドの物件は「広尾ガーデンヒルズ」以来、実に38年ぶりとなる。

旧逓信省簡易保険局庁舎の建物を一部保存したマンションの完成イメージ(出所:三井不動産レジデンシャル、三菱地所レジデンス)
旧逓信省簡易保険局庁舎の建物を一部保存したマンションの完成イメージ(出所:三井不動産レジデンシャル、三菱地所レジデンス)
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1929年に竣工した「旧逓信省簡易保険局庁舎」の建物(写真:三井不動産レジデンシャル、三菱地所レジデンス)
1929年に竣工した「旧逓信省簡易保険局庁舎」の建物(写真:三井不動産レジデンシャル、三菱地所レジデンス)
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 三田ガーデンヒルズは地下2階・地上14階建て。構造は鉄筋コンクリート造。星野裕明氏が代表取締役を務めるホシノアーキテクツ(東京・港)が、マスターデザインアーキテクトを務める。英国の建築設計事務所であるホプキンス・アーキテクツ(Hopkins Architects)がファサードデザインレビュアー、米office maがランドスケープデザイナーをそれぞれ務める。星野氏はホプキンス・アーキテクツの日本代表でもある。設計・施工は大成建設だ。

 今回の建物には、1929年に竣工した旧逓信省建造物を一部保存・再生したものを利用する。特にファサードのデザインに、保存部分を多く残す。ロビーや正面玄関、階段室も保存・復元対象になる。他にもステンドグラスや石材、木材といった素材の保存と再利用を進める。

正面玄関(写真:三井不動産レジデンシャル、三菱地所レジデンス)
正面玄関(写真:三井不動産レジデンシャル、三菱地所レジデンス)
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階段室の保存イメージ(出所:三井不動産レジデンシャル、三菱地所レジデンス)
階段室の保存イメージ(出所:三井不動産レジデンシャル、三菱地所レジデンス)
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保存・再生するステンドグラスなどをロビーに配置する計画(出所:三井不動産レジデンシャル、三菱地所レジデンス)
保存・再生するステンドグラスなどをロビーに配置する計画(出所:三井不動産レジデンシャル、三菱地所レジデンス)
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 三田ガーデンヒルズは複数の建物で構成する。PARK MANSION棟を囲むように、NORTH HILL棟、WEST HILL棟、EAST HILL棟、SOUTH HILL棟が立ち、他にもVILLA棟やCENTER HILL棟ができる。階数はいずれも最大で地上14階であり、駐車場は全て地下に設ける。

PARK MANSION棟を囲むように、NORTH HILL棟、WEST HILL棟、EAST HILL棟、SOUTH HILL棟が立つ。図にはないが、住宅部分は7棟構成になる予定(出所:三井不動産レジデンシャル、三菱地所レジデンス)
PARK MANSION棟を囲むように、NORTH HILL棟、WEST HILL棟、EAST HILL棟、SOUTH HILL棟が立つ。図にはないが、住宅部分は7棟構成になる予定(出所:三井不動産レジデンシャル、三菱地所レジデンス)
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