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セミナー紹介

本講座は、インバーターなど車載電子機器に関する熱マネジメントを、各部品の実装設計段階から製品の実装設計と同時に協調して行う視点で解説します。その解決手段に関わる個別事例を多く紹介します。クルマ電子部品の放熱設計を、基本から事例を交えて解説します。

電気自動車(EV)化をはじめとして自動車の電動化は加速し、エンジンの高効率化も進んでいます。クルマに搭載する電子制御部品やアクチュエーター駆動部品は増える一方です。

一方で、車内の設計空間には制限があります。その限られた空間に多くの部品を搭載するには、電子機器を小型・軽量化しなければなりません。その上で、燃費向上は至上命題です。つまり、高機能化を図る必要があります。

機能が高まる中で小型・軽量化を進めると、電子機器は放熱性が悪化し、搭載性が下がります(搭載環境が厳しくなります)。この課題を解消するには、製品設計の初期段階から熱マネジメントを考慮する必要があるのです。

部品が小型化すると、回路基板との接合部を含めて、電気的または熱的な接合部や接続部が微細化する傾向があります。その中で電気的、熱的な接続を設計通りに確保することが非常に難しくなってきています。そのバランスを取りながら製品化するための考え方について紹介します。

受講効果

チェック車載電子機器の重要な課題である高耐熱と放熱設計について、実務の観点から押さえるべきポイントを習得できます。

チェック大手自動車部品メーカーでの実務経験が豊富な講師が、事例に基づいて実務的な技術を教えます。

チェック高耐熱と放熱設計に関する最新の技術はもちろん、スペシャリストの眼を通した今後の技術の動向についての知見も得られます。


開催概要

セミナー名 インバーターなど車載機器の高耐熱・放熱設計を事例でマスター
日時 2024年6月13日(木) 10:00~17:00 (開場予定9:30)
会場 東京・御茶ノ水
御茶ノ水トライエッジカンファレンス
●東京メトロ千代田線新御茶ノ水駅 B2番出口徒歩2分
●JR御茶ノ水駅 聖橋口徒歩3分
●東京メトロ丸ノ内線御茶ノ水駅 1番出口徒歩5分
●都営新宿線小川町駅 A5番出口徒歩5分
受講料

59,400円(税込み)

定員 60名
※最少開催人数(15名)に満たない場合は、開催を中止させていただくことがあります。
主催 日経クロステック 日経Automotive

講師紹介

神谷 有弘(かみや ありひろ)
元 デンソー

神谷 有弘(かみや ありひろ)<span class="fontSizeS">氏</span>

デンソーで車載系電子制御機器の開発設計に長年携わった、エレクトロニクス機器の開発設計の第一人者。1983年に名古屋大学を卒業し、同年4月に日本電装(現デンソー)に入社した。以降、手掛けた代表的な製品には、点火装置(イグナイター)やガソリンエンジン用電子制御ユニット(ECU)、ディーゼルエンジン用ECU、6速自動変速機(AT)用トランスミッション電子制御ユニット(TCU)、エアフロー(空気流入)メーターのセンサー、ディスチャージヘッドランプ(HID)の起動装置の回路設計などがある。いずれも車載機器故に、「高い品質」と「機能の高度・複雑化」、「小型・軽量化」の3つのニーズを同時に成立させる必要がある。この厳しい課題を解決することで技術者としての腕を磨いてきた。車載に特化した耐環境性能に優れる電子制御機器の設計に必要な要素技術(防水、放熱)の開発にも携わった。その傍ら、電子情報技術産業協会(JEITA)で実装ロードマップの策定にも参画し、電子製品の世の中の組み立て動向を調べつつ、動向を予測する活動も行う。2024年にデンソーを退職。
日経BPの技術者向け講座「日経クロステックラーニング」の人気講師でもある。趣味は読書で、これまでに読破した本は5000冊を超える。著書に『実装技術の教科書』、共著に『図解カーエレクトロニクス』(共に日経BP)がある。

プログラム (10:00~17:00)

1. カーエレクトロニクスの概要

  • クルマ社会を取り巻く課題
  • 重要分野における技術 ~環境~
  • 自動車燃費(CO2)規制の動向
  • 排気ガスと燃費から見た自動車の変化
  • 重要分野における技術 ~安全~
  • 最新の自動車安全システム
  • 自動運転の期待「価値」
  • 周辺センシング
  • 周辺監視センサ製品
  • ミリ波レーダの構造
  • LiDARの構成
  • LiDARによる走路検出
  • 環境認識センサの種類と特徴

2. 車載電子機器と実装技術への要求

  • なぜ、クルマの品質は厳しいのか?
  • 車載環境の厳しさ
  • 部品品質の重要性
  • 自動車の平均使用年数推移
  • 車載環境の厳しさ
  • 車載部分と民生部品の相違
  • 車載電子製品の実装技術
  • ECUの小型化と搭載位置変更の要因
  • ECU統合によるPF設計

3. 小型実装技術

  • カーエレクトロニクス機器の基本構成
  • 半導体センサ製品の技術開発
  • 加速度センサの小型化
  • 小型実装技術
  • 代表的なパワートレインECU
  • 電子機器(ECU)小型化
  • プリント基板ECUの実装技術
  • ICパッケージの小型化
  • 部品の高密度実装化
  • ハイブリッドECUの構造
  • ベアチップ実装例
  • CSP実装
  • 機電一体製品
  • 樹脂封止の考え方
  • 樹脂封止製品例

4. 熱設計の基礎

  • 製品小型化要求と熱マネジメント
  • 熱マネジメントの目的
  • 熱マネジメントの必要性
  • 最近の放熱フィン形状
  • 熱を理解するために
  • 熱抵抗
  • 熱回路網
  • 伝熱基本原則
  • 熱伝導
  • 対流
  • 放射
  • ジャンクション温度
  • 接触熱抵抗
  • 接触熱抵抗の考え方
  • 単位セルモデルの熱抵抗
  • 接触熱抵抗(橘の式)
  • 粗さを有する平面間の接触熱抵抗の考え方
  • 接触熱抵抗(橘・佐野川の式)
  • 低熱抵抗化
  • 熱に関する構造関数を計算する流れ
  • 「熱抵抗」と「熱容量」の関係
  • 熱設計の参考資料

5. 電子製品における放熱・耐熱技術

  • 熱伝達と耐熱・熱分離
  • 複合IC
  • 高温動作
  • 放熱・耐熱性を考えた製品例
  • プリント配線板ECUの熱マネジメント
  • プリント基板の放熱性向上
  • 基材の高熱伝導化
  • パワーICの放熱実装の変遷
  • 基板上の放熱設計の考え方
  • 車載用配線板の課題と求められる特性
  • 車載プリント配線板に求められる技術
  • 製品の温度測定
  • 熱電対による測定の注意点
  • 小型高放熱技術
  • エンジンECU(空冷方式)
  • エンジン搭載例(水冷)
  • 製品搭載と熱マネジメント
  • 基板から筐体への放熱
  • 製品の改善
  • 各種放熱手段
  • 筐体直接放熱
  • 機電一体製品
  • セラミック基板製品の熱設計
  • 階層構造製品の熱設計
  • 高放熱基板接着
  • ヒートシンク部の樹脂応力低減
  • マツダ6AT ECU
  • TCUのAT内蔵搭載環境
  • AT内蔵ECU
  • ディーゼルエンジン用コントローラ
  • 機電一体製品事例

6. インバータにおける実装・放熱技術

  • ハイブリッド車を取り巻く背景
  • 従来の冷却構造
  • 片面放熱構造の低熱抵抗化
  • 両面放熱構造とその考え方
  • 両面放熱構造の熱抵抗回路
  • 両面放熱パワー素子
  • 積層型冷却器
  • 初代両面冷却構造PCU外観
  • 二代目両面放熱構造PCU外観
  • 4代目プリウスパワーデバイス部
  • 多層(3層)はんだ付けの課題
  • はんだ厚制御方法
  • 粒子材料の選定
  • 姿勢制御はんだ接合の効果確認
  • ボイド発生原因の確認
  • Porsche Taycanインバータ
  • Audi e-tronインバータ
  • Juguar i-Paceインバータ
  • Tesla model3インバータ
  • 両面冷却(TOYOTA)
  • パワーデバイス・インバータの放熱構造動向
  • 樹脂封止工法比較
  • コンプレッションモールドとトランスファーモールド
  • 評価サンプル外観
  • 封止後のアフターキュアの影響
  • 冷熱サイクル
  • 高温高湿放置
  • 冷熱サイクル後のはんだ付け部観察
  • 高電圧製品の小型効果

7. 将来動向

  • カーエレクトロニクスの課題
  • 車両メーカのプラットフォーム設計と搭載製品の関係
  • ハイブリッド車の電力損失
  • SiCパワー半導体採用の狙い
  • 小型化とその先に
  • SiCインバータの効果
  • 高耐熱実装技術の課題
  • SiC両面放熱構造における課題
  • 電動パワートレインの搭載形態
  • プラットフォーム設計とインバータの要件
  • プラットフォーム設計とモジュール化
  • 両面冷却の見直し
  • インバータの軽量化(1)
  • インバータの軽量化(2)
  • 実装材料と小型実装技術の進化
  • カーエレクトロニクス製品開発の進め方
※プログラム内容は予告なく変更になることがあります。予めご了承ください。
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【お申し込み注意事項】

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  • ※セミナー開催日の8営業日前まではキャンセルが可能です。以下のWebフォームからキャンセルの旨をご連絡ください。 https://support.nikkeibp.co.jp/app/ask_1501/p/378/
    なお、「受講番号」は必ずご記入ください。また、お支払いの有無も、合わせてお知らせください。
    キャンセル受付期限を過ぎた場合は受講料は全額お支払いいただきます。代理の方がご出席くださいますようお願いします。出席できない場合は、セミナー終了後、当日のテキストを郵送いたします。
    ●日経BPの営業日につきましては以下の通りです。
      営業日:土日祝日を除く月~金曜日。年末年始(12月29日から1月3日まで)は営業いたしません。
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