本セミナーは、日程を変更して開催いたします。
日程が決定次第、受付を開始いたします。

セミナー紹介

100年に1度の変革期を迎えたと言われる自動車業界。元トヨタ自動車の技術者が、トヨタとフォルクスワーゲンの開発戦略の違いについて、技術面、経営面、戦略面の観点で解説。自動車産業の将来あるべき姿とからめて、両社の今後を予測する。

 トヨタ自動車は地球環境と社会貢献、顧客に喜ばれるクルマづくりを基本にハイブリッド車(HEV)を「現実解」として推進してきました。一方、ドイツ・フォルクスワーゲン(Volkswagen;VW)は、新車販売台数で世界トップになるという収益を重視した急速な販売増を進める中で、2015年にディーゼル排気不正が発覚して多額な罰金・補償費を払い、主力と考えていたクリーンディーゼル戦略から、いとも簡単に電気自動車(EV)への転換を掲げました。言うまでもなく、両社にとって中国市場は重要な市場で、VWはEVを軸に一層の拡大を、トヨタはHEVを軸に今後の市場拡大を狙っています。

 ところが、ここに来て中国がNEV(New Energy Vehicle;新エネルギー車)規制においてEV重視からHEVも考慮していくという方針の修正により、両社の戦略の違いが明暗を分けて、今後の経営に大きな影響を与える可能性があると考えられます。

 本セミナーでは、トヨタ自動車でエンジンの設計開発に長年携わってきた技術者が、トヨタとVWの開発戦略の違いについて、技術面、経営面、戦略面の観点で解説し、自動車産業の将来あるべき姿とからめながら、両社の今後を予測します。

 初めて聞く方にも分かりやすいように、温暖化/エネルギー・セキュリティー/大気質といった観点で、自動車メーカーが検討すべき課題を明確にし、講師が分析した20年後の世界および各国・地域の次世代車のセールスミックス予測を踏まえた上で、両社の戦略の方向性の確からしさを検証します。

 また、MaaS(Mobility as a Service)、CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)に関わる世界の動きと課題と、それらに対応するための両社の戦略の違いについても解説します。


受講効果

チェックトヨタとVWの経営および技術戦略の違いが理解できる

チェック技術戦略の立案および優先の付け方が理解できる

チェック将来の自動車販売台数とセールスミックスの予測手法が理解できる

開催概要

セミナー名 トヨタ、VWはこう動く 自動車産業の将来予測2020
日時 2020年6月24 日(水)13:00~17:00(開場12:30予定)
会場 東京・新橋
Learning Square新橋 6F
JR・都営浅草線・東京メトロ銀座線 「新橋駅」 徒歩2分
受講料

49,800円(税込み)
※受講料には、昼食は含まれておりません。

定員 60名
※最少開催人数(15名)に満たない場合は、開催を中止させていただくことがあります。
主催 日経クロステック 日経Automotive

講師紹介

藤村 俊夫(ふじむら としお)氏
愛知工業大学 工学部 客員教授(工学博士)
元トヨタ自動車、PwC Japan自動車セクター顧問をはじめ数社の顧問を兼任
技術経営修士

藤村 俊夫<span class="fontSizeS">(ふじむら としお)氏</span>

1980年に岡山大学大学院工学研究科修士課程を修了し、トヨタ自動車工業入社。
入社後31年間、本社技術部にてエンジンの設計開発に従事し、エンジンの機能部品設計(噴射システム、触媒システムなど)、制御技術開発およびエンジンの各種性能改良を行った。
2004年に基幹職1級(部長職)となり、将来エンジンの技術開発推進、将来エンジンの技術シナリオ策定を行う。
2011年に愛知工業大学工学部に出向(その後2015年に転籍)し、機械学科教授として熱力学、機械設計工学、自動車工学概論、エンジン燃焼特論の講義を担当。
2018年4月より愛知工業大学工学部客員教授となり、同時にTouson自動車戦略研究所を立ち上げ、PwC Japan自動車セクター顧問をはじめ、コンサルティングや講演活動を行う。

活動(研究歴、所属学会、著書など):自動車技術会 代議員/論文校閲委員。2001年「ディーゼル新触媒システム(DPNR)」で日経BP賞技術賞エコロジー部門賞受賞、2003年「ディーゼルPM、NOx同時低減触媒システムDPNR」で日本機械学会技術賞受賞

プログラム (13:00~17:00)

1. 自動車産業を取り巻く環境の変化に対する各社の動き

 2014年のIPCC5次レポートの報告を受け、2015年COP21でパリ協定が採択され、その翌年には異例の速さでパリ協定が発効されて、先進国のみならず、新興国もCO2削減の自主目標を掲げました。これを受け、自動車業界においてもCO2規制、あるいは燃費規制強化案が提示される中で、従来の内燃機関車かxEV(HEV、PHEV、EV、FCV)への転換を進めています。
 ここではCO2自主目標を達成するためのあるべき規制強化案と世界および各国地域での内燃機関車、xEVのセールスミックス予測について解説し、現在各国、各社が進めようとしている戦略の違いと妥当性について説明します。
  1. 各社の新車販売台数の推移
  2. 欧州、米国、中国、日本におけるメーカー別シェア
  3. 日欧米中主要メーカーの内燃機関車、xEV構成比率
  4. 今後の世界および各国地域での新車販売台数予測
    • 現状9500万台から2040年には1.1~1.3億台
  5. 世界のCO2排出量と国別、産業別の排出比率
    • 4輪自動車は全体の18%
  6. 今後のCO2排出量予測とあるべき規制強化案
    • 2021年~2030年の各国規制案は年率3~5.5%と甘すぎる
    • あるべき規制案は世界平均で8%、先進国は10%が必要
  7. 採用すべき技術と燃料多様化対応
    • エンジンの効率改善と燃料/エネルギーの低炭素化、ゼロ炭素化への転換
    • モータ、パワーデバイス効率改善
    • 車両軽量化、ダウンサイジング
  8. CO2自主目標を達成するための世界のセールスミックス(内燃機関車、xEV比率)予測
    • 2030年に世界平均でHV16.5/PHV9.5/EV4.5/エンジン車68%
  9. 各国・地域、自動車メーカーの電動化転換に向けたアナウンス
  10. 米国ZEV規制と中国NEV規制および中国政府が掲げるロードマップ
    • 2030年中国はCAFC対応で省エネ車(HV、低炭素燃料使用エンジン車)も推進
  11. 各国地域でのセールスミックス予測
    • 先進国、中国はHV、PHV、その他新興国は内燃機関改良、燃料転換を軸とする
  12. 課題の整理

2. トヨタとVWの戦略の違い

 トヨタとVWでは経営方針とガバナンスには大きな違いがあり、VWのディーゼルゲートに発展したディーゼル排気不正は、まさにガバナンスに問題がありました。トヨタが地球環境と社会貢献、お客様に喜ばれるクルマづくりを基本とするのに対し、VWは新車販売台数世界一、収益を重視したクルマづくりを基本に考えていたことが不正につながり、その考え方はいまだに是正されているとは思えません。
 ここでは、HEV路線を現実解として進めるトヨタの戦略と、EV路線に転換したVWの戦略がここに来て、中国NEV規制の修正により今後大きく明暗を分けることについて解説します。併せて、自動車生誕130年後の大変革として、CASEとMaaSにいち早く対応するため、自動車産業は異業種を含めた連携を進めています。こうした中、指示系統が非常にスムーズなトヨタの展開スピードは非常に早く、VWを大きく引き離していることについても説明します。
  1. VWの経営方針・ガバナンスの問題点
    • 収益第一主義
    • ディーゼルゲート
  2. トヨタのTNGAの狙い
  3. トヨタがHVを現実解、VWはEVを現実解とした理由
    • 何故VWはHVを作らないのか
    • 本当にVWはクリーンディーゼルをあきらめたのか
  4. トヨタおよびVWのEVプラットフォーム構想の違い
  5. トヨタのHVシステム拡大戦略とxEVにおけるEVの位置付け
  6. 欧州2021年CO2規制対応における両者の対応可否予測(その他メーカも含め)
  7. 中国がNEV規制を修正(HVも重視する姿勢に変化)するに至った理由
  8. トヨタとVWのNEV規制修正による経営戦略への影響
  9. 2030年に向けたトヨタとVWのxEV展開予測
  10. トヨタとVWのCASE対応戦略の違い
  11. 今後、良い車づくりで勝つのは?
※プログラム内容・講師は予告なく変更になることがあります。予めご了承ください。


【お申し込み注意事項】

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