クラウド化の流れから取り残されたCADソフト

 新型コロナウイルス感染症の対策によって急速に進んだ、企業の働き方改革。既に一般事務作業や顧客とのコミュニケーションのほとんどをテレワークでこなす企業は少なくないだろう。

 だが、製造業の世界では、テレワークを柔軟に取り入れている企業はまだ多くない。生産に直接かかわる製造部門は除くとしても、まだ複数の部門/業務がテレワークに移行できずにいる。そこが生産性低下の要因になっているのである。

 その代表的な例が、CADソフトを使用する設計業務だ。

 思い当たる理由はいくつかある。例えば、セキュリティへの不安。機密性の高い図面データなどを扱うことから、CADについてはなかなかクラウド化に踏み切れないというものだ。

 もう1つは業務環境の問題である。大容量のCADデータをストレスなく扱うには、広帯域な回線帯域が必要。また、作業するデバイスも、高性能なワークステーションでなければいけない――。そのような考えが設計現場に存在している。このことが、テレワーク/在宅勤務環境が一般化した現在、大きな壁になっている。

 さらに、クラウド特有のサブスクリプションモデルがコスト高につながるとの懸念もあるようだ。実際、「買い切り型のオンプレミスのほうが投資を抑えられる」と考える企業は多いのではないだろうか。

 ところが、実はこれらの不安や懸念はいずれも“誤解”といっていい。現在は「機密性の高いデータを守り」、「高性能なマシンを必要とせず」、「オンプレミスよりもコストを抑えられる」最新型のクラウドCADが登場しているからだ。

 革新的な製品の開発、および設計プロセス高速化への要請に応えることは、製造業各社にとって不可避のミッションといえる。テレワークが常態化したニューノーマル時代、これを実現するクラウドサービスについて紹介する。

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