資料の紹介
欧米や日本で生産されるほとんどの自動車では現在、通信プロトコルとしてCANが使われている。そのプロトコル仕様を拡張したCAN FDも登場した。
一方、自動運転車など次世代の車両に搭載されるネットワーク規格としては、運転者支援システムを中心に、サービスベースのIP通信とSOME/IP(Scalable service-Oriented MiddlewarE over IP)ミドルウエアを利用可能な車載Ethernetが主流となる見通しだ。ただし、パワートレーンやシャーシに関しては、CANが引き続き使われると考えられる。車載EthernetとCANのコンセプトは大きく異なるが、これらを共存、連携させる役割を担うのがCAN XLである。CAN XLは、サービスベースのIP通信に対応したものでなければならない。
本資料では、CAN XLを使用して、サービスベースのIP通信を実装するための方法について解説する。資料では幾つかの方法を説明しているが、特に小型で低コストのコントローラーを使用できる方法として、TCP/IPを使わずに、CAN XLでSOME/IP通信を行う方法を提案している。