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 2021年の建築界における10大ニュースを、日経クロステック/日経アーキテクチュアが報じたニュースと共に振り返る。ここでは日経アーキテクチュアが選んだ10位から7位までを見ていこう。

10位:有名建築の建て替えが続々と決定

左は帝国ホテルの定保英弥社長、右は田根剛氏。背後に映るのは帝国ホテル 東京新本館のイメージパース(写真:日経クロステック)
左は帝国ホテルの定保英弥社長、右は田根剛氏。背後に映るのは帝国ホテル 東京新本館のイメージパース(写真:日経クロステック)
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 都心の有名建築が生まれ変わる。

 帝国ホテルは10月27日、「帝国ホテル東京新本館」のデザインアーキテクトに田根剛氏を選んだと発表した。現在の本館は1970年竣工の「3代目」。これを2036年度の完成を目指して建て替える。このほか東京海上日動ビル本館・新館の建て替えも決まった。世界最大級の木造ハイブリッド構造による超高層ビルになる見通し。22年10月に解体に着手し、28年度の竣工予定だ。

9位:プロポ委員が異例の大量辞任

岸和田市は老朽化や耐震性能の不足などを理由に建て替えを推進してきたが、計画の見直しを余儀なくされた(写真:日経クロステック)
岸和田市は老朽化や耐震性能の不足などを理由に建て替えを推進してきたが、計画の見直しを余儀なくされた(写真:日経クロステック)
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 大阪府岸和田市の新庁舎の設計・施工者を選ぶ公募型プロポーザルで、外部の選定委員5人のうち4人が辞任する異例の事態が発生した。

 応募した3者のうち2者を失格とした市の決定プロセスに対して、辞任した4人は1月に「公共建築の制度設計上、大きな禍根を残す」などと表明。市は委員を補充して設計・施工者を選定したが、市議会が契約締結に関する議案を否決し、事業は頓挫した。