政府は2022年夏から、新型コロナウイルスワクチンの接種証明書を全国のコンビニエンスストアで交付できるようにする。制度を所管する厚生労働省とシステムを担当するデジタル庁が2022年4月28日に地方自治体向け説明会を開き、明らかにした。

 全国のコンビニでマイナンバーカードを使って午前6時半から午後11時まで紙のワクチン接種証明書を受け取れるようになる。対象店舗は、これまで住民票の写しなどを受け取れる全国のコンビニ約5万6000店である。自治体の窓口に出向いたり郵送で申請したりする必要がなくなるほか、窓口が休みでも交付できる。

 デジタル庁はワクチン接種証明書のコンビニ交付に必要なシステム改修を担当する。改修するのは、地方公共団体情報システム機構(J-LIS)が運用するシステムと、デジタル庁が運用するワクチン接種記録システム(VRS)の2つ。システム改修費用と2022年度のシステム運用費用は国が負担する。

 政府は海外渡航時にニーズがあるなどとして、2021年7月から自治体の窓口で紙のワクチン接種証明書を発行できるようにした。2021年12月からはスマートフォンアプリで証明書をデジタル発行できるようにもした。これに対しコンビニ交付は「スマホがない人や土日に急に必要になったときに対応できる」(デジタル庁担当者)としている。