2024年3月25日号

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INDEX

山を動かした経営者、太田純 変化を求め続けた決断のバンカー

PART1

山を動かした経営者、太田純 変化を求め続けた決断のバンカー

昨年11月、三井住友フィナンシャルグループ(FG)社長の太田純氏が急逝。強烈な改革を進めるトップを喪失し、同社の内外に大きなショックが広がった。だが「太田改革」が埋め込んだ数々の仕組みは、今も巨大組織を変え続けている。

「Olive」開発の舞台裏 1年で200万件獲得、楽天に真っ向勝負

PART2

「Olive」開発の舞台裏 1年で200万件獲得、楽天に真っ向勝負

2023年3月に開始した、個人向け新サービス「Olive(オリーブ)」が好調だ。メガバンクとしては初となる本格的なデジタルサービスで、若い世代の支持を得た。ただ、サービスの使い勝手ではIT系のライバルに見劣りする。進化の余地は大きい。

社会課題解決で「超金融」へ、貧困解消も本業 社長量産の秘密会議

PART3

社会課題解決で「超金融」へ、貧困解消も本業 社長量産の秘密会議

すぐにはもうけにつながらない「社会的な価値創造」に専従する組織を発足した。グループ社員が新事業の提案を、社長や経営幹部に直接できる会議を開催。メガバンクグループとは思えぬ取り組みは、保守的な文化を着実に変え始めた。

トヨタから戻った頭取、運用トップも他社出身 外部の知恵で金融復権

PART4

トヨタから戻った頭取、運用トップも他社出身 外部の知恵で金融復権

「金融にはこだわらない」と公言していた太田純・前社長。だが、その言葉は「金融事業」という屋台骨への叱咤(しった)激励という面があった。外部にいる人材の知恵をかき集め、人材の高度化を図っていたことがその証左だ。

中島達・三井住友FG社長 変革を実行に移し10年でナンバーワンに

INTERVIEW

中島達・三井住友FG社長 変革を実行に移し10年でナンバーワンに

急逝した太田純・前社長の遺志を継ぎつつ、巨大金融グループの改革を加速する。大企業向け取引の強化などで、10年で国内ナンバーワンの金融機関になると意気込む。

3月25日号特集「三井住友FG 未完の太田改革」を担当記者が解説

校了乙

3月25日号特集「三井住友FG 未完の太田改革」を担当記者が解説

3月25日号特集「三井住友FG 未完の太田改革 超金融へカラを破れ」の読みどころを、担当した藤本莉早記者が3分間で解説する。

3月25日号特集「三井住友FG 未完の太田改革」を藤本記者に聞く

聞く校了乙

3月25日号特集「三井住友FG 未完の太田改革」を藤本記者に聞く

日経ビジネス最新号の特集の読みどころを耳で聞く校了乙。3月25日号特集「三井住友FG 未完の太田改革 超変革へカラを破れ」の読みどころを、担当した藤本莉早記者に聞きます。

PROLOGUE

第2特集

連載

「閉ざされた門」開いたブリヂストン 日本製鉄と深めたトップの絆

ルポ:日本製鉄

「閉ざされた門」開いたブリヂストン 日本製鉄と深めたトップの絆

海外企業を買収して「粗鋼生産能力1億トン」に突き進む日本製鉄だが、追い求めるのは量だけではない。同じ重さでより高い利益が得られる鋼材の比率を増やすのがもう一つの成長エンジンだ。顧客の懐に入り込むのと並行して、高付加価値品を安定供給するための大型投資にも踏み込む。

クラウドソーシングでイノベーションを制す5つの習慣

グローバルインテリジェンス

クラウドソーシングでイノベーションを制す5つの習慣

現在のクラウドソーシングの使い方は間違っているか、少なくとも不十分──。イノベーションを専門とする2人の専門家が、クラウドソーシングをイノベーションに最大限生かす方法を解き明かす。

真山仁「チップス/ハゲタカ6」 第2章 泰然自若(5)

連載小説「チップス」

真山仁「チップス/ハゲタカ6」 第2章 泰然自若(5)

チャイナエアラインのビジネスクラスシートでランチを終えると、チャールズはタブレットを取り出した。月一度の渡米は、ルーチンになりつつあるが、大抵は仕事の途中で出発する。そのため、移動中にはその処理、さらにはアメリカのネバダ工場の懸案に追われた。

『レスポンシブル・カンパニーの未来』~循環経済のその先を見据える経営

BOOK

『レスポンシブル・カンパニーの未来』~循環経済のその先を見据える経営

15年ほど前、鎌倉にあったパタゴニアの日本支社を訪ねた。ちょうど本書の共著者でもある創業者イヴォン・シュイナードの著書『社員をサーフィンに行かせよう』が話題になっていた頃。いい波の日は気兼ねせずサーフィンに行ける労働環境のほか、すべての綿製品にオーガニックコットンを使い、売り上げの1%を「地球税」として草の根の環境保護団体に寄付するといった先進的な取り組みについて取材をした。

BMIより死亡との関係が強力 肥満判定なら「ウエスト・ヒップ比」

from 日経Gooday

BMIより死亡との関係が強力 肥満判定なら「ウエスト・ヒップ比」

肥満の指標のうち、今後の健康状態を予測し、生活改善や治療が必要かどうかを判断するのに最も優れているのは「ウエスト・ヒップ比」であることが、カナダの研究者らの検討で明らかになりました。

世界展望

時事深層

日本企業の進出続くバングラデシュ 「最貧国」卒業で試される実力

GLOBAL

日本企業の進出続くバングラデシュ 「最貧国」卒業で試される実力

バングラデシュに対する外国企業の関心が高まっている。住友商事が中心となって開発する新工業団地にはライオンなど日本企業の進出が相次ぐ。バングラデシュは「最貧国」とも言い換えられる「後発開発途上国(LDC)」を2026年に卒業する。軍事クーデターが起きたミャンマーに代わるアジアのフロンティアと期待されるが、一段の経済発展へ課題も残る。

ふるさと納税先払いや借り上げ社宅 福利厚生強化で「実質賃上げ」

HUMAN CAPITAL

ふるさと納税先払いや借り上げ社宅 福利厚生強化で「実質賃上げ」

昨今の物価高や人手不足を背景に、多くの企業が大幅な賃上げを実施している。だが中小・中堅企業は体力に限りがあり、流れに乗り遅れている。より良い処遇を求めて転職する動きは増えているだけに対策は急務だ。人材定着に向け知恵を絞る中小・中堅企業は、食事代の支給や住宅費用の補助といった福利厚生サービスの強化で、従業員の満足度向上をはかろうとしている。

グループ会社のデンソーやスバルが先行 トヨタの持ち合い解消を分析

GOVERNANCE

グループ会社のデンソーやスバルが先行 トヨタの持ち合い解消を分析

トヨタグループが政策保有株の持ち合い解消を進めている。資本効率向上に対する投資家からの圧力が背景にある。有価証券報告書などのデータを収集し、状況を分析してみたところ、トヨタ自動車自体よりもグループ会社で取り組みが先行していることが分かった。

「MWC」で見せた通信インフラ新戦略 NECと富士通が歩む別々の道

TECH

「MWC」で見せた通信インフラ新戦略 NECと富士通が歩む別々の道

2月下旬にスペイン・バルセロナで開催されたモバイル業界最大級のイベント「MWCバルセロナ2024」に、日本の通信機器ベンダーとして出展したNECと富士通。両社は共に様々なベンダーの基地局を組み合わせて利用できる「オープンRAN」を武器に海外展開に力を入れてきた。かつて電電ファミリーの長男と次男と称されたNECと富士通だが、足元の戦略は対照的だ。

電力需要3倍の東南アジアに照準 IHI、アンモニア発電網を構築へ

INDUSTRY

電力需要3倍の東南アジアに照準 IHI、アンモニア発電網を構築へ

IHIが東南アジアで燃焼時に二酸化炭素(CO2)を排出しないアンモニア発電の実用化に動いている。人口増や経済成長に伴って、東南アジアの電力需要は2050年に21年比で約3倍になると推計されている。脱炭素との両立が求められる中、IHIはインドやオーストラリアも巻き込み、再生可能エネルギー由来の「グリーンアンモニア」のバリューチェーン(供給網)構築を狙う。

島根銀行は普通預金の金利を0.25%に 地銀、金利上昇で攻めに転じる

MONEY

島根銀行は普通預金の金利を0.25%に 地銀、金利上昇で攻めに転じる

日本銀行が金融政策正常化に向けて動き始める中、金利上昇を先取りする形で地方銀行が預金獲得に向けて動き出した。主にスマートフォン(スマホ)サービスでメガバンクより高い預金金利を提示し、東京や大阪など、都市部のユーザーを囲い込み始めている。地域金融の枠を超え、ネット専業銀行に戦いを仕掛けている。

北陸新幹線、大阪への延伸は約20年後か 敦賀駅乗り換え「ビル8階分移動」

TRANSPORT

北陸新幹線、大阪への延伸は約20年後か 敦賀駅乗り換え「ビル8階分移動」

3月16日に北陸新幹線の金沢~敦賀間が延伸開業する。首都圏と直結される一方、関西・中京圏からは敦賀駅での乗り換えが新たに発生。JR西日本は割引切符の拡充で負担感を抑える戦略だが、課題は多い。

「売れない燃料電池車」投入の真意 ホンダ、水素社会の覇者へ布石

MOBILITY

「売れない燃料電池車」投入の真意 ホンダ、水素社会の覇者へ布石

ホンダは年内にも新型燃料電池車(FCV)を日本と北米で発売する。水素インフラはまだ十分に整っていないのが実情で、数多くの販売は見込めない。それでもFCVを出す背景には、将来の水素社会の到来をにらんで燃料電池に磨きをかけるホンダの戦略がある。

ビッグモーターは新会社で船出 伊藤忠が狙う「再建請負商人」

COMPANY

ビッグモーターは新会社で船出 伊藤忠が狙う「再建請負商人」

伊藤忠商事は3月6日、経営危機にある中古車販売大手ビッグモーターの事業再建に向けた契約を締結したと発表した。様々な企業が再建スポンサーの候補としては浮上し、消える中で火中の栗を拾った。評価の低い現状をどう変えるかが成否を握る。

EPILOGUE

株式公開はしたけれど… 新興バイオ企業の「百均問題」

ニュースを突く

株式公開はしたけれど… 新興バイオ企業の「百均問題」

バイオ新興企業は株式市場に新規株式公開(IPO)しても時価総額が100億円程度にしかならない。それで成長シナリオを描けるのだろうか。

前例主義と常識のカラを破る

編集長の視点/取材の現場から

前例主義と常識のカラを破る

「できない理由を探し、見つかると安心してしまう。できる方法を考えないと新しいことは生まれない」。一昨年の夏、三井住友フィナンシャルグループ前社長の太田純さんにインタビューした際の言葉です。前例主義や業界の常識というカラを破ることを強く訴えていました。

宮澤孝夫  ハルメクホールディングス社長「自律型人材を自社でも育てる」

日経ビジネス 私の読み方

宮澤孝夫 ハルメクホールディングス社長「自律型人材を自社でも育てる」

当社はここ数年間新卒採用をしていなかった。シニア女性向けの雑誌や通販がメインの事業だが、アナログからデジタルへの変換で紙の雑誌をサブスクリプション型のネット媒体に変換させるなど大きく事業を変化させている。

村木厚子氏「深刻化する介護の担い手不足。福祉事業は経営基盤の安定が重要」

賢人の警鐘

村木厚子氏「深刻化する介護の担い手不足。福祉事業は経営基盤の安定が重要」

介護の担い手不足が叫ばれて久しい。2025年には、「団塊の世代」と呼ばれる、人口のボリュームゾーンが皆、後期高齢者となる。75歳以上の人口はこれからピークを迎えるだけに、介護需要は今後ますます増えるだろう。40年度までに、介護職員を69万人に増やさなければならないとするデータもあるほどだ。